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この文書は「EPUB 3 Changes from EPUB 2.0.1」を日本語訳したものです。最新の文書は http://idpf.org/epub/30/spec/epub30-changes.html です。原文もしくは最新の情報を参照したい場合は、 EPUB 3 Changes from EPUB 2.0.1 を参照ください。
この日本語訳は参考です。公式な文書ではありません。翻訳・解釈の正確性を保証しておりません。
2011年10月11日 勧告仕様
前回のドラフトからの変更点の差分は、このリンクで入手可能である。
Copyright c 2010, 2011 International Digital Publishing Forum(TM)
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EPUBは International Digital Publishing Forum の登録商標である。
目次
EPUB® は XML や Web 標準に基づいたデジタル出版物の交換や配信形式である。EPUB Publication は、電子書籍、雑誌、出版物のその他の形式を表現し、オンラインやオフラインで消費するために配布することができる Web コンテンツの信頼性の高いパッケージと考えることができる。
この文書、EPUB 3 Changes from EPUB 2.0.1 は、変更のためのいくらかの理由を包含する EPUB の第三の主要な版で行った変更と、上位互換性に関する考察をコンテンツの著者と Reading System 開発者のためのいくつかのガイダンスを説明する。
この文章は参考である。EPUB 仕様書は、EPUB 3 の正確な情報のために参考にするべきである(should):
EPUB Publications 3.0 [Publications30] は出版レベルのセマンティクスと EPUB Publication のための包括的な適合性要件を定義している。
EPUB Content Documents 3.0 [ContentDocs30] は EPUB Publication のコンテキストで使用するための XHTML、SVG と CSS のプロファイルを定義する。
EPUB Open Container Format (OCF) 3.0 [OCF3] は関連するリソースの集合を単一のファイル(ZIP)の Container にカプセル化するためのファイル形式と処理モデルを定義する。
EPUB Media Overlays 3.0 [MediaOverlays30] は形式とテキストと音声の同期のための処理モデルを定義する。
特に指定のない限り、ここで使用される用語は、これらの仕様書で定義された意味を持つ。
EPUB は、Open EBook Publication Structure (OEBPS) として知られている交換フォーマットが起源である。OEBPS 1.0 は、後に International Digital Publishing Forum (IDPF) となる組織の Open eBook Forum により 1999 年に承認された。次の改訂 1.1 と 1.2 は、それぞれ 2001 年と 2002 年に IDPF により承認された。
配信・交換として使用できる標準フォーマットの要求が存在することに気が付き、OEPBS のための単一ファイルのコンテナフォーマットとして 2005 後半に作業は開始され、そしてそれは 2006 年に OEBPS Container Format (OCF) として IDPF により承認された。OEBPS の 2.0 版の作業は、OCF と一緒に Open Package Format (OPF)、Open Publication Format (OPF) の仕様書の三つ組から成り、2007 年の 10 月に名前を変更した EPUB2.0 として承認をされ、並行して開始された。仕様書の正誤表を明確にし、改正することを主な意図とした 2.0 仕様書のセットをメンテナンスアップデートした EPUB 2.0.1 は、2010 年 9 月に承認された。[OPF2] [OPS2] [OCF2]
機能の重要な変更に加えて、EPUB 3 仕様書は、EPUB 2.0.1 とは異なった構造化と命名をされ、特定の用語の変更は明確にするため改良するされた。以下のセクションは、これらの変更について説明する。
EPUB 2.0.1 に馴染んでいる人が EPUB 3 情報とのマッピングを理解するために、以下の表は、どの EPUB 3 の情報が EPUB2.0.1 仕様書に関連してるのかを表している。
仕様書の構成
分野 | EPUB 3 仕様書 | EPUB 2.0.1 仕様書 |
---|---|---|
Overview | EPUB 3 Overview | (throughout) |
Publication-level Specification & Package Docs | EPUB Publications 3.0 | Open Packaging Format 2.0.1 |
Content-level Specification | EPUB Content Documents 3.0 | Open Publication Structure 2.0.1 |
EPUB Navigation Documents | EPUB Content Documents 3.0 | N/A (NCX は DAISY 仕様書を参照) |
Media Overlays | EPUB Media Overlays 3.0 | N/A |
Container packaging | EPUB Open Container Format 3.0 | Open Container Format 2.0.1 |
前バージョンからの変更点 | EPUB 3 Changes from EPUB 2.0.1 | (throughout) |
EPUB 2.0.1 から EPUB 3 の用語に一貫性を維持したまま使用することは、開発時に考慮したが、文書の構成や機能のセット、適合性要件の変化は必然的に変更をもたらした。
各仕様書は、先頭付近に用語のセクションを含み、新しい用語の定義と説明をする(例えば、用語 [Publications30])。
本セクションは、EPUB 3 で提示された主要な新しいまた変更された機能と構成概念を説明する。
EPUB2 は、二つの基本的なコンテンツタイプの XHTML1.1 と DTBook [OPS2](アクセシビリティに関わる部分に焦点をあてた意味論的に改良されたマークアップ)のプロファイルをサポートしているのに対して、EPUB 3 のベースコンテンツフォーマットは、現在、HTML5[ContentDocs30] の XML シリアライゼーション (XHTML5) に基づいている。
EPUB 3 XHTML Content Document の定義は、HTML5 ベースの拡張と制約の両方を包含し、その中の多くは以下で説明している。完全な情報については、HTML5 の拡張と機能強化 [ContentDocs30] と HTML5 の許容性と制約 [ContentDocs30] を参照されたい。
SVG 文書は現在、EPUB 3 に spine で表示することができる(すなわち、SVG はもはや XHTML 文書内にネストする必要はない)。
MathML のサポート [ContentDocs30] は EPUB 3 で新たに追加された。
属性を使用して XHTML Content Documents でドメイン固有の意味の変化のためのメソッドを追加する。より詳細な情報は意味の変化 [ContentDocs30] を参照されたい。
switch
要素は、最初に [OPS2] に導入され、その処理モデルは、文書の前処理を必要としないように定義され、また requiredModules
属性を除去することで簡略化された。この簡略化は、既存の EPUB 2 Reading System の実装と後方互換が保たれている。より詳細な情報はコンテンツの切り替え [ContentDocs30] を参照されたい。
IDPF は、リンクスキームのレジストリを確立している。
[EPUBCFI] は、レジストリに追加された最初のスキーマであり、出版物に、また両者間や内部にリンクのするために使用することができる。このスキームのReading System のサポートは必須である。
EPUB 3 Reading System は、明示的に EPUB 2 で推奨されていないスクリプトを必要に応じてサポートしても良い(may)。Scripted content は package manifest [Publications30] のように識別し、Scripted Content Documents [ContentDocs30] な記載されているように他の制約と制限が適用されなければならない(must)。
新しい独自の epubReadingSystem JavaScript オブジェクト [ContentDocs30]は、その機能を決定するために Reading System を照会するための手段をスクリプトに提供する。
スクリプトを照会することなく、音声と動画をコントロールするコンテンツ固有のユーザーエクスペリエンスを容易にするため、新しい trigger
要素は、音声と動画プレーヤー(例えば、再生、停止、一旦停止)のプロパティへ、画像またはテキスト要素からアクティベーションイベントの宣言型バインディングを許可する HTML5 の EPUB プロファイル [ContentDocs30] が定義されている。
新しい bindings [Publications30]
要素は、非標準メディアタイプのために、スクリプトベースのハンドラを定義する手段を提供する。
EPUB 3 は、EPUB 2 が CSS 2 の特定のサブセットに基いているのに対し、CSS 3 から追加されたモジュールを備えた CSS 2.1 に基づいて CSS のプロファイルを定義している。詳細な情報は EPUB Style Sheets [ContentDocs30] を参照されたい。
代替スタイルタグ [ContentDocs30] のサポートは、User が、昼間/夜間モードや横組/縦組モードのような定義済みの代替え表示モード間を切り替えること許可するために加えられた。
EPUB 3 は、CSS の @font-face
ルールと併せて、埋め込みフォントとして OpenType と WOFF フォント形式のサポートを Reading System を要求する。詳細な情報は、CSS Fonts Level 3 [ContentDocs30] を参照されたい。
フォント難読化 [OCF3] に関する新しい標準のセクションは、Open Container Format 仕様書に追加されている。この問題は、IDPF の情報文書に前もって概要が述べられている。
EPUB 3 は、HTML5 の audio
と video
要素のサポートを継承する。
EPUB 3 は、音声再生をサポートするすべての Reading System は、MP3 音声をサポートしなければならなず(must)、MP4 AAC LC 音声をサポートするべきである(should)と、Core Media Types のサポートの定義で [Publications30]、さらに規定している。動画の Core Media Type は、EPUB のこの版で定義されていないものの、コーデックのサポートに関する有益な勧告は、出版社や Reading System 開発者へガイドラインを提供している。
EPUB Media Overlays 3.0 [MediaOverlays30] 仕様書は、出版物全体のテキストと音声の同期のための形式と処理モデルを定義している。
EPUB 2.0.1 で定義されているように最小の必須パッケージメタデータは、根本的に変化していない。唯一、新しく必須のメタデータプロパティとして、dcterms:modified
が追加された。Publication Identifiers [Publications30] で述べられているように、この新しいプロパティは、Publication Identifiers の永続性の新しい解決に貢献している。
汎用的な Package Document の meta
要素は、出版物全体だけでなく、その中の特定のリソースと(または)フラグメントを表現する能力を宣言関係の語彙の関連付けメカニズムで強化する [Publications30]。EPUB 固有のメタデータプロパティのセットは、例えば出版物のカバー画像の識別と本棚内で関連タイトルの並び替えを加えている。
新しいメタデータの link [Publications30]
要素は、出版物に関わる外部の補助的なメタデータリソース(例えば ONIX や XMP レコード)の関連性の許可を Package Document に加えている。
新しい Package Document の manifest item
の properties
属性と、spine itemref
要素は、特定の Publication Resources についてのメタデータの宣言を許可する。
これらの宣言は、(例えば、Content Document に含まれるスクリプトの宣言のため)特定の定義済みの状況で EPUB 3 に要求される。詳細な情報は Manifest item プロパティ [Publications30] と Spine itemref プロパティ [Publications30] を参照されたい。
テキスト読み上げ (TTS) エンジンを支援する複数の機能が追加された。これらは、パッケージレベルの発音語彙、XHTML Content Documents の SSML 属性、および CSS3 Speech Module のサポートが含まれる [ContentDocs30]。
manifest のフォールバックメカニズムは、spine
内の文書のみの適用に制限される。XHTML や SVG Content Documents、CSSから参照される Publication Resources は、ネイティブの固有のフォールバック能力を供給するコンテクストの中で参照されない限り、Core Media Type でなければならない(must)。
これらは、リモートリソース(例えば、OCF Container 内に配置されない Publication Resources)への新しい参照の制限 [Publications30]です。この変更の影響は、ファイルシステムコンテナの廃止でより完全に説明している。
OPS 2.0.1 で廃止予定だった XML 1.1 のサポートは廃止された。全てのXML文書は XML 1.0 に準拠しなければならない(must)。
XML 1.0 の参照されたバージョンは、Unicode のバージョン 5.0.0 のサポートを意味する第五版です(OPS 2.0.1 は Unicode 2.0 をサポートする XML 1.0 第四版の使用していました )。
EPUB 3 と、その構成要素である Web 標準の多くの機能は、EPUB 2.0.1 の既存の機能を置き換え、コンテンツ制作者や Reading System に広く採用されなかった EPUB 2.0.1 のいくつかの機能は廃止された。このような機能は、コンテンツの適合性の視点から、(適合した EPUB 3 コンテンツの構成物で使用しないくてもよい意味から)削除かもしくは(EPUB 3 の構成物での使用は許可するが推奨されない意味から)廃止予定にされた。ほとんどの場合、Reading System は、まだ(規範的に関連する仕様書に記載されているように)後方互換性の理由から、これらの構成物をサポートする必要があることに注意されたい。
以下のセクションは、EPUB 3 で削除と廃止予定の EPUB 2.0.1 の機能の一覧である。
DAISY DTBook [Z3986-2005] は、よりセマンティクスのためのオプションを提供するため、OPS 2.0.1 [OPS2] による Content Document のための XHTML1.1 の代替えシンタックスであり、従って、よりコンテンツをアクセシブルにする。HTML 5 は、DTBook と同等の性質の固有のセマンティクスなマークアップの機能を含むため、DTBook は、もはや EPUB 3 の代替えシンタックスではない。
OPF 2.0.1 は、“カスタムモジュール”の XHTML や CSS でスタイルされた任意の XML を spine item で許可するオプションの拡張メカニズムの規定している。この機能は、広くコンテンツまたは Reading System によって採用されず、EPUB 3 から削除された。結果として、item
要素は、もはや required-namespace
と fallback-style
を属性を持たない。
Package Document スキーマは、もはや(OPF 2.0.1で廃止予定の)tours
要素を包含しない。
OCF 3.0 [OCF3] は、単一のファイル(ZIPベース)のコンテナのみ定義しており、もはや“ファイルシステムコンテナ”の抽象化を定義していない。この変更は、特定のメディアタイプとコンテクストに EPUB Publication でリモートリソースへの参照を制限する Publications 3.0 の新しい制約と併せて行われた。まとめると、これらの変更は、現段階で定義されている EPUB Publication のインスタンス化は、EPUB ZIP Container のみで、EPUB ファイルは、一定の明確に定義された例外を除いて、出版物の全ての構成要素を一般的に含まなければならない(must)ことを意味する。
これらの変更は、ブラウザベースの Reading System の実現により、コンテンツがオンラインで消費されることが、ますます普及することを考えると直感的に反すると思われるかもしれない。Working Group はこのことを認識し、オンライン環境、特にブラウザベースの時、読書を始める前にクライアントシステムに EPUB ファイルの全てをダウンロードするのは非効率で現実的ではないであろうということは理解している。しかしながら、いくつかの重要な問題として、包含しているクロスドメインリソースを読み込むブラウザのセキュリティモデルの制限と、EPUB 3 コンテンツ内のスクリプトベースのインタラクティビティとスクリプトベースの Reading System 実装の間の意図しない相互作用の可能性について、ブラウザベースの Reading System のために存在する。EPUBコンテンツを提供する出版社とコンテンツ販売業者は、パッケージ化されたEPUBファイルをサーバー上に取り込み、実装に便利なリソースのセットかどうかに関わらず、クライアントのソフトウェアへ経由する途中で変換される分散型クライアントサーバ の Reading Sysytem を作り、事実上、この問題を扱うために、現在はサーバーベースのソフトウェアを活用している。それ故に、Working Group 憲章の要件を満たすための、EPUB Publication の相互運用可能な分散型の定義を行う緊急性はなかった。
EPUB 2.x は、(OCF ファイルシステムコンテナ経由と絶対 URL が合法であるところについて、OPF 仕様書が比較的曖昧なので)それのための適合性要件を指定せずに、分散型の出版物が不完全に記載されていると考えることができる。これは、(任意の ZIP ベースコンテナ以前の先祖仕様の改訂をしていた OPF に配慮した)歴史的で強い要望(OCF に配慮した)の要因の組み合わせです。
Working Group は、適合性要件の明確さと厳密さを増加させることによって EPUB エコシステムの相互運用性を向上させる目標をもっているので、それは、それらの不完全な定義は役に立たないことから、EPUB 3 ベースの仕様書から除去するべきである(should)ことが決定された。 Working Group は、ネットワーク化された出版物は、ますます重要になることを理解しており、今後の活動は、新たなコンテンツ出版社や Reading System の要求による分散型 EPUB Publication ベースための堅固な相互運用可能な適合性の定義の開発を含むことを期待している。
Package Document のオプションの guide
要素の使用は、EPUB Navigation Document の landmarks
機能により廃止予定である。詳細な情報は、EPUB Navigation Documents [ContentDocs30] を参照されたい。
上記のナビゲーションで詳細を説明したように、NCX は、EPUB Navigation Documents [ContentDocs30] の機能に置き換えられた。
[OPF2] で定義された meta
要素は、新しい Package Document の meta 要素に置き換えられた。
この付録は参考である
EPUB は、出版社、ベンダー、ソフトウェア開発者、および関連する標準規格の専門家を集め、協力的な努力で国際電子出版フォーラム(International Digital Publishing Forum, IDPF) によって開発されました。
EPUB3 仕様は下に述べるリーダーシップにより2010年5月のメンバーシップによって承認された憲章の下で動作し国際電子出版フォーラム(International Digital Publishing Forum, IDPF)の EPUB Maintenance Working Group によって調整した:
ワーキンググループのアクティブメンバー:
IDPF Members
Invited Experts/Observers
より詳細な承認と EPUB の各バージョンへの貢献者については謝辞と貢献者 [EPUB3Overview] を参照されたい。
[ContentDocs30] EPUB Content Documents 3.0 .
[MediaOverlays30] EPUB Media Overlays 3.0 .
[OCF2] Open Container Format 2.0.1 .
[OCF3] Open Container Format 3.0 .
[OPF2] Open Packaging Format 2.0.1 .
[OPS2] Open Publication Structure 2.0.1 .
[Publications30] EPUB Publications 3.0 .
[EPUB3Overview] EPUB 3 Overview .
[Z3986-2005] ANSI/NISO Z39.86-2005: Specifications for the Digital Talking Book . 2005.