]> EPUB Publications 3.0(日本語訳版)

この文書は「EPUB Publications 3.0」を日本語訳したものです。最新の文書は http://idpf.org/epub/30/spec/epub30-publications.html です。原文もしくは最新の情報を参照したい場合は、 EPUB Publications 3.0 を参照ください。

この日本語訳は参考です。公式な文書ではありません。翻訳・解釈の正確性を保証しておりません。
また本文内の訳注は翻訳者の主観による補足です。

1.2. 用語にあげられている名称は本文中でも基本的に原文のままとした。

公開日:
2012-02-25
改訂日:
2013-04-05
翻訳者:
Wataru Yoshimura
校正者:
Fumihiro Kato

EPUB Publications 3.0

2011年10月11日 勧告仕様

この版
http://www.idpf.org/epub/30/spec/epub30-publications-20111011.html
最新版
http://www.idpf.org/epub/30/spec/epub30-publications.html
前の版
http://www.idpf.org/epub/30/spec/epub30-publications-20110908.html

前回のドラフトからの変更点の差分は、このリンクで入手可能である。

この文書(いくらかの規範的な訂正を含むかもしれない)のために、正誤表(英語)を参照されたい。

Editors

Markus Gylling, DAISY Consortium

William McCoy, International Digital Publishing Forum (IDPF)

Matt Garrish, Invited Expert

目次

1. 要約
1.1. 目的とスコープ
1.2. 用語
1.3. 適合性
2. EPUB Publications
2.1. コンテンツの適合性
2.2. Reading System の適合性
3. Package Documents
3.1. 前置き
3.2. コンテンツの適合性
3.3. Reading System の適合性
3.4. Package Document の定義
3.4.1. package 要素
3.4.2. metadata 要素
3.4.3. DCMES identifier 要素
3.4.4. DCMES title 要素
3.4.5. DCMES language 要素
3.4.6. DCMES 省略可能要素
3.4.7. meta 要素
3.4.8. meta 要素 (OPF2) [OBSOLETE]
3.4.9. link 要素
3.4.10. manifest要素
3.4.11. item 要素
3.4.12. spine 要素
3.4.13. itemref 要素
3.4.14. guide 要素 [廃止]
3.4.15. bindings 要素
3.4.16. mediaType 要素
4. Package Metadata
4.1. Publication Identifiers
4.1.1. Unique Identifier
4.1.2. Package Identifier
4.2. 語彙の関連付けメカニズム
4.2.1. 要約
4.2.2. 標準の語彙
4.2.3. 予約済みの語彙
4.2.4. prefix 属性
4.2.5. property のデータ型
4.2.5.1. シンタックス
4.2.5.2. 処理
4.3. Package Metadata Vocabulary
4.3.1. 要約
4.3.2. Metadata meta プロパティ
4.3.3. Metadata link プロパティ
4.3.4. Manifest item プロパティ
4.3.5. Spine itemref プロパティ
5. Publication Resources
5.1. Core Media Types
5.2. 制限とフォールバック
5.2.1. Foreign Resource に関する制限
5.2.2. Manifest フォールバック
5.3. Publication Resource の位置
5.4. XML 適合性
A. Package Document スキーマ
B. application/oebps-package+xml Media Type
C. 謝辞と貢献者
参照・参考

> 1 要約

> 1.1 目的とスコープ

このセクションは参考情報である。

本仕様、EPUB Publications 3.0 は、出版レベルのセマンティクスと Package Document の形式を含むEPUB® 3 と、この文書と他の Publication Resource が従っている EPUB Publication をつくるために関連する方法に対する規則の適合必要条件を定める。

本仕様は EPUB 3 を構成する関連仕様の一つである。 EPUB 3 は XML や Web 標準に基づいたデジタル出版物の交換や配信形式の第 3 版である。この仕様は EPUB 3 を構成する以下の他の仕様と共に読み、理解することになっている:

  • EPUB 3 Overview [EPUB3Overview] は EPUB の有益な概要と、残りの EPUB 3 document 群のロードマップを提供する。EPUB 3 Overview は最初に読んでおくべきである(should)。

  • EPUB Content Documents 3.0 [ContentDocs30]EPUB Publication のコンテキストで使用するための XHTML、SVG と CSS のプロファイルを定義する。

  • EPUB Open Container Format (OCF) 3.0 [OCF3] は関連するリソースの集合を単一のファイル(ZIP)の EPUB Container にカプセル化するためのファイル形式と処理モデルを定義する。

  • EPUB Media Overlays 3.0 [MediaOverlays30] は形式とテキストと音声の同期のための処理モデルを定義する。

本仕様は Open Package Format 2.0.1 [OPF2] を置き換える。本仕様書と前身の違いについては [EPUB3Changes] を参照されたい。

> 1.2 用語

EPUB Publication (or Publication)

この仕様とその兄弟仕様によって定義されるように)一組の相互関係のあるリソース から成っていて、EPUB Container でパッケージ化されている論理的な文書のエンティティ。

Publication Resource

コンテンツまたは EPUB Publication のロジックと表示に関する命令を含んでいるリソース。このリソースがない場合には、出版物は Author の意図したとおりに表示されないことがある。Publication Resource の例としては Package DocumentEPUB Content DocumentEPUB Style Sheet、音声、動画、画像、埋め込みフォントとスクリプトが含まれている。

Package Document 自身を除いて Publication Resource は manifest に記載しなければならず(must)、Publication Resource の位置で特に指定がない限り EPUB container ファイルにバンドルしなければならない(must)。

Publication Resource でないリソースの例としては、Package Document の link 要素で識別されるものと EPUB Container の外で解決する外部へのハイパーリンクで識別されるものが含まれている(例えば [HTML5]a 要素の href 属性)。

Foreign Resource

Core Media Type ではない Publication Resource制限とフォールバックで定義されているように、 Foreign Resource には少なくとも一つのフォールバックが必要である。

Core Media Type Resource

Core Media Type であるため、フォールバックを提供することなく EPUB Publication に含まれていてもよい Publication Resource(may)。

EPUB Content Document

EPUB Content Document の定義(XHTML または SVG)の1つに従う Publication Resource

EPUB Content Document は Core Media Type であるため、フォールバックを提供することなく EPUB Publication に含まれていてもよい(may)。

XHTML Content Document

XHTML Content Documents [ContentDocs30] で定義されている [HTML5] のプロファイルに準拠する EPUB Content Document

XHTML Content Document は、[HTML5]XHTML syntax を使用する。

SVG Content Document

SVG Content Documents [ContentDocs30] で表現された制約に準拠した EPUB Content Document

EPUB Navigation Document

EPUB Navigation Documents [ContentDocs30] で表される制約に従い、人間と機械が読み取り可能なグローバルなナビゲーション情報を含むのに特化した XHTML Content Document

Scripted Content Document

スクリプトや HTML5 forms 要素のある XHTML Content Document が含まれる EPUB Content Document

詳細については Scripted Content Documents [ContentDocs30] を参照されたい。

Top-level Content Document

EPUB Content Documentspine から直接参照される。

Core Media Type

Publication Resource 型のセットは、それに対するフォールバックは必須ではない。詳細については Publication Resources を参照されたい。

Package Document

Package Document で定義されているとおり、EPUB Publication について文献の構造化メタデータをもたらしている Publication Resource

Manifestation

知的内容の作品のデジタル(または物理的)な具体化。大幅な改変、要訳、翻訳または新しい manifestation の結果を別のデジタルや物理的な形状のコンテンツとして実現させるといった、コンテンツの変更。"インスタンス"または"アイテム"と呼ばれる、manifestation の個別だが同一の複製が大量にあるかもしれない。ISBN は manifestation の識別子の例であり、そしてその manifestation のすべてのインスタンスによって共有される。

manifestation のすべてのインスタンスは、ささいな修正や改訂が新しい manifestation や作業を引き起こすと判断されていないので、ビット単位で同一である必要はない。

Unique Identifier

unique-identifier 属性によって識別される Unique Identifier は EPUB Publication のための主要な識別子である。Unique Identifier は EPUB standard に従って同じ内容を含んでいる同一の作品の一つまたは複数の Manifestation によって共有されるかもしれない。同じ内容を含むというのは、Manifestations の違いが EPUB Reading System 間(それら自身は ISBN の変更を必要とするかもしれません)の違いを考慮する変更に限定されている。

Unique Identifier は ISBN よりも細分化される。しかしコンテンツの大幅な見直し、要訳などは新しい Unique Identifier が必要である。

Package Identifier

Package Identifier は EPUB Publication の任意のインスタンスが、別のインスタンスに対してそれらが同一であるか、あるいは同じ Manifestation の異なる版なのか、または無関係なのかどうかを判断するために比較できるようにする。

詳細については Package Identifier を参照されたい。

Manifest

EPUB Publication を構成するすべての Publication Resource のリスト。

詳細については manifest を参照されたい。

Spine

Publication デフォルトの読み上げ順序を表す Publication Resource一般的EPUB Content Document の順序付きリスト。

詳細については spine を参照してください。

Media Overlay Document

[MediaOverlays30] で定義された同期再生を提供するために録音済みの音声ナレーションを XHTML Content Document と関連付ける XML ドキュメント

Text-to-Speech (TTS)

人工的な人間の発音で EPUB Publication のテキストコンテンツのレンダリングは合成音声を用いる。

EPUB Style Sheet (or Style Sheet)

CSS のプロファイルに準拠する CSS スタイルシートは EPUB Style Sheets [ContentDocs30] で定義されている。

Viewport

EPUB Publication の内容が視覚的に User に与えられる EPUB Reading System の領域。

CSS Viewport

Viewport は CSS でスタイルされたコンテンツを表示できる。

EPUB Container (or Container)

[OCF3] で定義されている EPUB Publication 用 ZIP ベースのパッケージングと配布の形式。

Author

EPUB Publication(必ずしも、それが含まれるコンテンツとリソースの作者であるというわけではない)の制作に対して責任がある人または組織。

User

EPUB Reading System を使用して EPUB Publication を消費する個人。

EPUB Reading System (or Reading System)

本仕様書と同種の仕様書に準拠する方法で User に提示するために EPUB Publication を処理するシステム。

> 1.3 適合性宣言

この文書内のキーワードは"MUST"、"MUST NOT"、"REQUIRED"、"SHALL"、"SHALL NOT"、"SHOULD"、"SHOULD NOT"、"RECOMMENDED"、"MAY"、"OPTIONAL"は [RFC2119] の記述に従って解釈される。

この仕様のすべてのセクションは規定ある。但し"このセクションは参考情報である"という参考情報状態ラベルで識別される箇所を除く。セクションと付録への参考情報状態の適用は、含まれる可能性のあるすべての子コンテンツおよびサブセクションに適用される。

この仕様のすべての例は参考情報である。

> 2 EPUB Publications

このセクションでは、パブリケーションレベルでの EPUB PublicationEPUB Reading System に関する適合性要件を定義している。特定の Publication Resource と処理コンテキストに特定の適合性要件は、ここに参照される仕様に配置されている。

> 2.1 コンテンツの適合性

EPUB Publication は次の条件をすべて満たさなければならない(must):

All Publication Resources

>  そこに含まれるすべての Publication Resource は(manifest で定義されているような)Package Document で表現しなければならない(must)、Core Media Types と Fallback の制約に従っている Publication Resource の位置ごとに配置される。

The Package Document

> Package Document - コンテンツの適合性で定義されているコンテンツの要件に適合しなければならない、ただ1つの Package Document が含まれなければならない(must)。

Content Documents

> EPUB Content Documents [ContentDocs30] で定義されているコンテンツの要件に準拠する、少なくとも1つの EPUB Content Document が含まれなければならない(must)。

The EPUB Navigation Document

> EPUB Navigation Documents - コンテンツの適合性 [ContentDocs30] で定義されているコンテンツの要件に準拠する、正確に1つの EPUB Navigation Document が含まれなければならない(must)。

EPUB Style Sheets

> EPUB Style Sheets - コンテンツの適合性 [ContentDocs30] で定義されているコンテンツの要件に準拠する、ゼロ個以上の EPUB Style Sheet が含まれてもよい(may)。

EPUB Pronunciation Lexicons

> PLS Documents - コンテンツの適合性 [ContentDocs30] で定義されているコンテンツの要件に準拠する、ゼロ個以上の PLS Documents が含まれてもよい(may)。

Media Overlay Documents

> それは [MediaOverlays30] で定義されているコンテンツの要件に準拠する、ゼロ個以上の Media Overlay Document 含まれてもよい(may)。

Additional Publication Resources

> 上に挙げたものに加えて、All Publication Resources の要件に準拠しているゼロ個以上の Publication Resource が含まれてもよい(may)。

Container

> [OCF3] で定義されているように、それは EPUB Container にパッケージ化しなければならない(must)。

> 2.2 Reading System の適合性

EPUB Reading System は次の条件をすべて満たさなければならない(must):

EPUB 3 Processing

> [OCF3] で規定されているように EPUB Container を処理しなければならない(must)。

> Package Document - Reading System の適合性で定義されている Package Document を処理し、そして Package Document によって表現されるすべてのプレゼンテーションロジック(例えば、読み取り順序、フォールバックチェーンとバインディング)を尊重しなければならない(must)。

> 同じ Unique Identifier を持つ二つの異なる EPUB の出版物を検出した場合、それは壊滅的に失敗してはならない(must not)。

> このセクションの条件付き動作として指定されていない限り、すべての Core Media Type Resource をサポートしなければならない(must)。

> Foreign Resource type の任意のセットをサポートしてもよい(may)。そして制限とフォールバックで定義されているように、サポートされていない Foreign Resource のためのフォールバックを処理しなければならない(must)。

> XHTML Content Documents - Reading System の適合性 [ContentDocs30] で定義されている XHTML Content Document を処理しなければならない(must)。

> SVG Content Documents - Reading System の適合性 [ContentDocs30] で定義されている SVG Content Document を処理しなければならない(must)。

> CSS Viewport がある場合EPUB Style Sheets - Reading System の適合性 [ContentDocs30] で定義されている XHTML Content Document の視覚的なレンダリングをサポートしなければならない(must)。

> ラスターイメージをレンダリングする機能がある場合raster image Core Media Types をサポートしなければならない(must)。

> ベクターイメージをレンダリングする機能がある場合vector image Core Media Types をサポートしている必要があります(must)。

> 録音済みの音声をレンダリングする機能がある場合MP3 audio Core Media Type をサポートしなければならない(must)。また MP4 audio Core Media Type と Media Overlays [MediaOverlays30] をサポートするべきである(should)。

> Text-to-Speech (TTS) のレンダリングをサポートしている場合PLS Documents [ContentDocs30]EPUB CSS Profile [ContentDocs30] の CSS3 スピーチ機能と XHTML Content DocumentSSML 属性 [ContentDocs30] をサポートするべきである(should)。

> リンク用の EPUB Canonical Fragment Identifiers [EPUBCFI] スキームをサポートしなければならず(must)、EPUB Linking Scheme Registry で定義されている追加のリンクスキームをサポートしてもよい(may)。

メモ

Reading System は [H.264][VP8] ビデオコーデックの少なくとも一つをサポートすることが望ましいが(recommended)、これは適合要件ではない。Reading System はまったく動画コーデックをサポートしなくてもよい(may)。どちらか(または潜在的に、両方)の形式のビデオを含めたり、実装するために選択を行う際に、コンテンツクリエイターや Reading System の開発者は、採用の幅、ビデオの再生品質、および技術の使用のロイヤリティの要件のような要因を考慮するべきである(should)。

下位互換性

> [OPF2][OPS2][OCF2] で定義されている EPUB version 2 Publications を処理するべきである(should)。

> Package Document の version 属性がバージョン 3.0 未満を指定されていたり、version 属性が削除されているどんな出版物でも処理しようと試みなければならない(must)。

前方互換性

> Package Document の version 属性がバージョン 3.0 以上を指定されていたり、version 属性が削除されているどんな出版物でも処理しようと試みるべきである(should)。

XML Processing

> conformant non-validating processor[XML] でなければならない(must)。

> [XMLNS] に定義されている conformant processor でなければならない(must)。

> xml-stylesheet 処理命令の [ASSOCSS] をサポートしなければならず(must)、追加の処理命令をサポートしてもよい(may)。

> [XML Base] で定義された conformant application でなければならない(must)。

メモ

適合した Reading System は単一の専用プログラムまたはデバイスである必要はなく、分散システムとして存在してもよい(may)。

> 3 Package Documents

> 3.1 前書き

このセクションは参考情報ある。

Package DocumentEPUB Publication に関する書誌および構造的なメタデータを伝達するため、それを処理したり表示したりする方法に関する主な情報源である。

Package Document は container 要素、出版物の特定の面についての housing information に特化したそれぞれのセットで構成される XML 文書である。これらの container は効果的に出版物のためのメタデータを集中管理し、それを構成する個々のリソース群を詳しく述べ、User への出版物をレンダリングするための読み順やその他の情報を提供する。

次のリストは Package Document に含まれている情報をまとめたもの:

  • Publication metadata - その中の全体の出版物と特定のリソースに適用できるメタデータを含んだり参照したりするためのメカニズム。

  • Publication manifest - 出版物をまとめて構成するリソースの集合を(IRI を通して)識別し、(MIME media type を通して)記述する。

  • spine - セット内のすべての他のリソースに到達または利用することができ、manifest の最上位レベルのリソースへの ID の参照の順序付きシーケンス。spine は出版のデフォルトの読み上げ順序を定義する。

  • Fallback chains - Reading System はレンダリング用のどちらかを選択できるコンテンツと等価なものとみなすことができるトップレベルのリソースの順序付きリストを定義するために出版するためのオプションの手段。

  • Bindings - スクリプトベースの実装をカスタム media type と関連付けるオプションの手段。

> 3.2 コンテンツの適合性

Package Document は次の条件をすべて満たさなければならない(must):

文書のプロパティ

>  XML Conformance で定義された XML 文書の適合性の制約を満たさなければならない(must)。

> 付録 A, Package Document スキーマで定義されている Package Document スキーマに対して妥当でなければならず、Package Document の定義で表現されるすべてのコンテンツの適合性の制約に準拠しなければならない(must)。

ファイルのプロパティ

> Package Document のファイル名はファイル拡張子の .opf を使用するべきである(should)。

Package Document は MIME media type application/oebps-package+xml [RFC4839] を持っている。

> 3.3 Reading System の適合性

EPUB Reading System は、次の条件をすべて満たしていなければならない(must):

Processing

> Package Document の定義で表現されるすべての Reading System の適合性の制約に準拠の Package Document を処理しなければならない(must)。

> 3.4 Package Document の定義

特に指定のない限り、このセクションで定義されているすべての要素の [XML] は名前空間 http://www.idpf.org/2007/opf [XMLNS] にある。

> 3.4.1 package 要素

package 要素は Package Document のルートの container であり、Publication のメタデータとリソースの情報をカプセル化する。

要素名

package

使用法

package 要素は Package Document のルート要素である。

属性
version [必須(required)]

出版物が準拠する EPUB 仕様のバージョンを指定する。

属性は、このバージョンの仕様に準拠していることを示すための値に 3.0 を持たなければならない(must)。

unique-identifier [必須(required)]

パッケージの優先度、プライマリ、識別子を提供する dc:identifier 要素で識別する IDREF [XML]

詳細については Publication Identifiers を参照されたい。

prefix [省略可(optional)]

prefix の宣言メカニズムはこの仕様では予約されていない

詳細については prefix 属性を参照されたい。

xml:lang [省略可(optional)]

[XML] のセクション 2.12 Language Identification で定められているように、属性を含んでいる要素やその子孫の内容と属性値で使われる言語を指定する。

dir [省略可(optional)]

含まれる要素とその子孫の内容と属性値の基本テキスト方向を指定する。

[Unicode] を使用して指定された固有の方向性は、この属性よりも優先される。

指定できる値は ltr(左から右)または rtl(右から左)である。

id [省略可(optional)]

要素の ID [XML] はドキュメントのスコープ内で一意でなければならない(must)。

内容モデル

記述順序: metadata [必須(required)], manifest [必須(required)], spine [必須(required)], guide [省略可/廃止], bindings [省略可(optional)]

> 3.4.2 metadata 要素

metadata 要素は出版物のメタ情報をカプセル化する。

要素名

metadata

使用法

package の最初の子要素であること(required)。

属性

metadata 要素は、この仕様で定義された属性はない。

内容モデル

順序なし: dc:identifier [1つ以上], dc:title [1つ以上], dc:language [1つ以上], DCMES Optional Elements [0以上], meta [1つ以上], OPF2 meta [0以上], link [0以上]

出版物が含まなければならない必須の最小限のメタデータは、Dublin Core Metadata Element Set [DCMES] からの3つの要素(titleidentifierlanguage)とDCMI Metadata Terms [DCTERMS] から modified プロパティで構成されている。完全な最小限のメタデータセットのインスタンスについては、このセクションの最後にあるを参照されたい。

追加のオプションのメタデータは DCMES 省略可能要素meta 要素を用いて表現される。

次の例はすべての出版物で必須になるメタデータの最小セットを表している。

<package … unique-identifier="pub-id">
    …
    <metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
        <dc:identifier id="pub-id">urn:uuid:A1B0D67E-2E81-4DF5-9E67-A64CBE366809</dc:identifier>
        <dc:title>Norwegian Wood</dc:title>
        <dc:language>en</dc:language>
        <meta property="dcterms:modified">2011-01-01T12:00:00Z</meta>
    </metadata>
    …
</package>

> 3.4.3 DCMES identifier 要素

[DCMES] identifier 要素には UUID、DOI、ISBN や ISSN などの EPUB Publication に関連付けられている単一の識別子が含まれている。

要素名

dc:identifier

名前空間

http://purl.org/dc/elements/1.1/

使用法

metadata の子要素であること(required)。繰り返し可能

属性
id [省略可(optional)]

要素の ID [XML] はドキュメントのスコープ内で一意でなければならない(must)。

id 属性は unique identifier が含まれている identifier 要素で必要とされる(required)。下記を参照されたい。

内容モデル

テキスト

すべての metadata セクションでは出版物の明白な識別子を含む少なくとも1つの identifier 要素を含めなければならない(must)。複数の identifier 要素が許可され、1つだけが package 要素の unique-identifier 属性を経由して Unique Identifier としてマークすることができる。

次の例では出版物の unique identifier 要素を示している。

<package … unique-identifier="pub-id">
    <metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
        <dc:identifier id="pub-id">urn:uuid:A1B0D67E-2E81-4DF5-9E67-A64CBE366809</dc:identifier>
        …
    </metadata>
</package>

この仕様は EPUB Publication の Unique Identifier とその特定のバージョンを一意に識別する識別子を明確に区別する(すなわち、同一の Manifestation の異なるバージョンを含む EPUB Publication を区別できるようにする)。ビット単位で同一である2つのコピーされた EPUB は同じバージョンであり、同じ最終更新日時を保持しなければならない(must)。ビット単位で同一でない場合、それらは別のバージョンを表し、別の最終更新日時を持たなければならない(must)。

パッケージ化された出版物の特定のバージョンを識別するために、Package Identifier は Publication の最終更新日時に Unique Identifier を組み合わせることによって構築することができる。Unique Identifier に影響を及ぼすことなく、バージョン間の変更は、マイナーなタイポグラフィやマークアップの訂正を含んでもよい(may)。新版になるような内容への重要な改訂は Unique Identifier の変更を必要とする。Package Identifier のセマンティクスと要件の詳細については Package Identifier を参照されたい。

この仕様では長さは少なくとも1文字であること以外は識別子に追加の制限または必要条件を強いません(must)。しかし、すべての識別子が完全修飾 URI であるよう、強く勧める(recommended)。

Reading System は値を処理する前に XML 仕様 [XML] で定義されているように、要素の値から先頭と末尾の空白を取り除かなければならない(must)。

identifier が確立されたシステムに適合しているまたは発行機関によって付与されているかどうかを判断するために Reading System はプロパティの値を解析するべきである(should)。(スキームが値から決定することができない、またはあいまいな結果につながる可能性がある場合など)追加の精度のために、Author は Reading System の識別を支援するために identifier-type プロパティを付与することができる。含まれているときは、identifier-type プロパティは identifier を解析する値よりも優先するべきである(should)。

次の例ではある identifieridentifier-type プロパティを使用する DOI としてマークすることができる方法を示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    <dc:identifier id="pub-id">urn:doi:10.1016/j.iheduc.2008.03.001</dc:identifier>
    <meta refines="#pub-id" property="identifier-type" scheme="onix:codelist5">06</meta>
    …
</metadata>

この仕様書は識別子に対する特定のスキームの使用を要求したり支持したりしない。また、プロパティの定義で指定された値を超える identifier-type 識別子には制限または要件を課すことはない。

EPUB Publication が別の出版物から派生しているときは、そのソースの出版物の識別子は、Publication のメタデータに含んでもよい(may)。その場合は DCMES source 要素を使用して表現しなければならない(must)。

> 3.4.4 DCMES title 要素

[DCMES] title 要素は EPUB Publication に指定された名前のインスタンスを表している。

要素名

dc:title

名前空間

http://purl.org/dc/elements/1.1/

使用法

metadata の子要素であること(required)。繰り返し可

属性
id [省略可(optional)]

要素の ID [XML] はドキュメントのスコープ内で一意でなければならない(must)。

xml:lang [省略可(optional)]

属性を含んでいる要素とその子孫の内容と属性値で使われる言語を指定する([XML] のセクション 2.12 Language Identification で定める)。

dir [省略可(optional)]

属性を含んでいる要素とその子孫の内容と属性値の基本テキスト方向を指定する。

[Unicode] を使用して指定された固有の方向性は、この属性よりも優先される。

指定できる値は ltr(左から右)または rtl(右から左)である。

内容モデル

テキスト

すべての metadata セクションでは、出版物のタイトルを含む少なくとも1つの title 要素を含めなければならない(must)。複数の title 要素は許可されているが title-type プロパティをタイトルの種類(例えば、作品のメインタイトル、サブタイトル等)を示すために付与すべきである(should)。

次の例は、異なるタイトルの種類を指定する方法を示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    …
    <dc:title id="t1">A Dictionary of Modern English Usage</dc:title>
    <meta refines="#t1" property="title-type">main</meta>
    
    <dc:title id="t2">First Edition</dc:title>
    <meta refines="#t2" property="title-type">edition</meta>
    
    <dc:title id="t3">Fowler's</dc:title>
    <meta refines="#t3" property="title-type">short</meta>
    …
</metadata>

title-type プロパティを追加する場合は Author が出版のための主要なタイトルを含んでいるときだけ title 要素を指定すべきである(should)。タイトルの種類を決定する手段が提供されない、または理解されている場合は、Reading System はメインタイトルとして、ドキュメント順の最初の title 要素を扱わなければならない(must)。この仕様は追加の title 要素がそのような状況でどう処理すべきかを定義しない。

表示や他のレンダリングの目的で自分の優位性を示すために、各 title にオプションの display-seq プロパティを付与させることもできる。

次の例は表示順序を示すための方法を示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    …
    <dc:title id="t1">The Red and the Black</dc:title>
    <meta refines="#t1" property="title-type">main</meta>
    <meta refines="#t1" property="display-seq">1</meta>
    
    <dc:title id="t2">A Chronicle of the Nineteenth Century</dc:title>
    <meta refines="#t2" property="title-type">subtitle</meta>
    <meta refines="#t2" property="display-seq">2</meta>
    
    <dc:title id="t3">A Chronicle of 1830</dc:title>
    <meta refines="#t3" property="title-type">subtitle</meta>
    <meta refines="#t3" property="display-seq">3</meta>
    …
</metadata>

本仕様は、長さが最低でも1文字でなければならない(must)、以外にタイトルには追加の制約もしくは要件を課していない。

XML 仕様 [XML] で定義されているように、Reading System は要素の値を処理する前に値から先頭と末尾の空白を取り除かなければならない(must)。

次の例では"THE LORD OF THE RINGS, Part One: The Fellowship of the Ring"のタイトルの分類方法を示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    <dc:title id="t1">The Fellowship of the Ring</dc:title>
    <meta refines="#t1" property="title-type">main</meta>
    
    <dc:title id="t2">The Lord of the Rings</dc:title>
    <meta refines="#t2" property="title-type">collection</meta>
    <meta refines="#t2" property="group-position">1</meta>
    
    <dc:title id="t3">THE LORD OF THE RINGS, Part One: The Fellowship of the Ring</dc:title>
    <meta refines="#t3" property="title-type">extended</meta> 
    …
</metadata>

次の例では"The Great Cookbooks of the World: Mon premier guide de cuisson, un Memoire. The New French Cuisine Masters, Volume Two. Special Anniversary Edition"のタイトルの分類方法を示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    <dc:title id="t1" xml:lang="fr">Mon premier guide de cuisson, un Memoire</dc:title>
    <meta refines="#t1" property="title-type">main</meta>
    <meta refines="#t1" property="display-seq">2</meta>
    
    <dc:title id="t2">The Great Cookbooks of the World</dc:title>
    <meta refines="#t2" property="title-type">collection</meta>
    <meta refines="#t2" property="display-seq">1</meta>
    
    <dc:title id="t3">The New French Cuisine Masters</dc:title>
    <meta refines="#t3" property="title-type">collection</meta>
    <meta refines="#t3" property="group-position">2</meta>
    <meta refines="#t3" property="display-seq">3</meta>
    
    <dc:title id="t4">Special Anniversary Edition</dc:title>
    <meta refines="#t4" property="title-type">edition</meta>
    <meta refines="#t4" property="display-seq">4</meta>
    
    <dc:title id="t5">The Great Cookbooks of the World: 
        Mon premier guide de cuisson, un Memoire. 
        The New French Cuisine Masters, Volume Two. 
        Special Anniversary Edition</dc:title>
    <meta refines="#t5" property="title-type">extended</meta>
    …
</metadata>

> 3.4.5 DCMES language 要素

[DCMES] language 要素は Publication content の言語を指定する。

要素名

dc:language

名前空間

http://purl.org/dc/elements/1.1/

使用法

metadata の子要素であること(required)。

属性
id [省略可(optional)]

要素の ID [XML] はドキュメントのスコープ内で一意でなければならない(must)。

内容モデル

テキスト

すべての metadata セクションには [RFC5646] に準拠した値を持つ少なくとも1つの language 要素を含めなければならない(must)。

次の例では出版物がアメリカ英語であることを示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    …
    <dc:language>en-US</dc:language>
    …
</metadata>

追加の language 要素が多言語の出版物のために含まれる場合はあるが、各要素の値は [RFC5646] に準拠しなければならない(must)。

XML 仕様 [XML] で定義されているように、Reading System は要素の値を処理する前に値から先頭と末尾の空白を取り除かなければならない(must)。

> 3.4.6 DCMES 省略可能要素

[DCMES] の要素のセットからすべての要素 - 上記で定義された identifierlanguagetitle を除いては - が、オプションとして指定されている。これらの要素はすべて次の一般的な定義に準拠している:

要素名

contributor | coverage | creator | date | description | format | publisher | relation | rights | source | subject | type

名前空間

http://purl.org/dc/elements/1.1/

使用法

metadata の省略可能な子要素。繰り返し可能

属性
id [省略可能]

要素の ID [XML] はドキュメントのスコープ内で一意でなければならない(must)。

xml:lang* [省略可能]

属性を含んでいる要素とその子孫の内容と属性値で使われる言語を指定する([XML] のセクション 2.12 Language Identification で定められる)。

dir* [省略可能]

属性を含んでいる要素とその子孫の内容と属性値の基本テキスト方向を指定する。

[Unicode] を使用して指定された固有の方向性は、この属性よりも優先される。

指定できる値は ltr(左から右)または rtl(右から左)である。

内容モデル

テキスト

xml:lang 属性と dir 属性は次の要素だけに許可される:contributor, coverage, creator, description, publisher, relation, rightssubject

すべてのオプション [DCMES] の要素の値は長さが少なくとも1文字でなければならない(must)。

XML 仕様 [XML] で定義されているように、Reading System は要素の値を処理する前に値から先頭と末尾の空白を取り除かなければならない(must)。

以下に詳述を除いてこの仕様書はこれらの要素のために [DCMES] の定義を変更しない。

DCMES contributor 要素

contributor 要素は出版物の内容の作成に二次的な役割を果たした人物、組織などの名前を表すために使用される。

contributor 要素の使用は、次のセクションで説明する他のすべての点で creator 要素の使用と同じである。

DCMES creator 要素

creator 要素は、出版物のコンテンツを作成するための責任者、組織、等の名前を表している。role プロパティは、作成者がコンテンツの制作に果たした役割を示すために、要素に付加することができる。

次の例では MARC relators term を使用して Author などの creator を表現する方法を示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    …
    <dc:creator id="creator">Haruki Murakami</dc:creator>
    <meta refines="#creator" property="role" scheme="marc:relators" id="role">aut</meta>
    …
</metadata>

Reading System が User にそれを提示できるように、creator 要素に作成者の名前が含まれているべきである(should)。file-as プロパティは正規化された名前を含んで追加されるかもしれない。また、alternate-script プロパティは別の言語またはスクリプトで作成者の名前を表すために使用することができる。

次の例では作成者の名前を処理しレンダリングを容易にするために含めることができる様々な方法を示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    …
    <dc:creator id="creator">Haruki Murakami</dc:creator>
    <meta refines="#creator" property="role" scheme="marc:relators" id="role">aut</meta>
    <meta refines="#creator" property="alternate-script" xml:lang="ja">村上 春樹</meta>
    <meta refines="#creator" property="file-as">Murakami, Haruki</meta>
    …
</metadata>

出版物は複数の作成者がある場合はそれぞれが別々の creator 要素に含まれるべきである(should)。creator 名をレンダリングする順序は display-seq プロパティを使用して指定するべきである(should)。

次の例では creator 要素の表示順序を指定する方法を示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    …
    <dc:creator id="creator01">Lewis Carroll</dc:creator>
    <meta refines="#creator01" property="role" scheme="marc:relators">aut</meta>
    <meta refines="#creator01" property="display-seq">1</meta>
    
    <dc:creator id="creator02">John Tenniel</dc:creator>
    <meta refines="#creator02" property="role" scheme="marc:relators">ill</meta>
    <meta refines="#creator02" property="display-seq">2</meta>
    …
</metadata>

クリエイターの優位性を確立する手段が含まれていない場合、Reading System は creator 要素の順序を使用しなければならない(must)。

二次貢献者は DCMES の contributor 要素を使って表現されるべきである(should)。

DCMES date 要素

date 要素は EPUB Publication の刊行日を定義するために使用されなければならない(must)。刊行日は [DCTERMS] modified プロパティを使用して含めなければならない(must) last modified date(内容が変更された最後の日時)と同じではない。

EPUB 2 Reading System に準拠するために、日付文字列は Date and Time Formats に準拠するべきである(should)。

次の例では刊行日が記載されている。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    …
    <dc:date>2000-01-01T00:00:00Z</dc:date>
    …
</metadata>

追加の日付は [DCTERMS] や類似の語彙で利用可能である特別な日付用のプロパティで表現されるべきである(should)。

刊行日は出版のすべてのインスタンスに共通であってもよいし、(たとえば出版はオンデマンドで生成される場合)インスタンスからインスタンスに変更されてもよい。

1つの date 要素のみ許可されている。

DCMES source 要素

source 要素はこの EPUB Publication の派生元のソースの公開の識別子を指定するために使用されなければならない(must)。

次の例では出版物の ISBN 識別子と共に派生元の印刷物の ISBN 識別子を示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    …
    <dc:identifier id="isbn-id">urn:isbn:9780101010101</dc:identifier>
    <meta refines="#isbn-id" property="identifier-type" scheme="onix:codelist5">15</meta>
    
    <dc:source id="src-id">urn:isbn:9780375704024</dc:source>
    <meta refines="#src-id" property="identifier-type" scheme="onix:codelist5">15</meta>
    …
</metadata>

source 要素は出版物のページ付けの印刷ソースが決定されるのを許可している。

1つの source 要素のみ許可される。

DCMES type 要素

type 要素は指定された出版物が特殊な種類(例えば EPUB 形式にパッケージ化された注記や辞書)であることを示すために使用される。

しかしながら本仕様はこの要素の値を定義していない。特殊な出版物の種類の開発、およびそれらを表現するために正式な識別子の割り当ては本仕様とは無関係に生じると思われる。

1つの type 要素のみ許可される。

> 3.4.7 meta 要素

meta 要素は、パッケージもしくはコンテンツとそのメタデータの精密化について主要なメタデータの表現を許可するパッケージメタデータを含める一般的な手段を提供する。

要素名

meta

使用法

metadata の子要素。繰り返し可能

属性
property [必須(required)]

property

詳細については語彙の関連付けメカニズムを参照してください。

refines [コンテキストに依存]

この要素で増やされる表現または資源を識別する。属性の値は記述対象リソースまたは要素を指す相対 IRI [RFC3987] でなければならない(must)。

refines 属性は表現されるメタデータの種類に応じて省略可能である。省略した場合 meta 要素は primary expression を定義する。

id [省略可(optional)]

要素の ID [XML] はドキュメントのスコープ内で一意でなければならない(must)。

scheme [省略可(optional)]

要素の値が取り出されるソースを示す property のデータ型の値。

内容モデル

テキスト

meta 要素の property 属性は表現の中で行われるステートメントを定義し、要素のテキストコンテンツはアサーションを表すメタデータの表現を定義する。

本仕様では meta 要素を使用して定義することができるメタデータの表現の2つの種類が定義されている:

  • primary expressionmeta 要素で定義された表現が EPUB Publication のいくつかの側面を確立するものである。refines 属性を省略した meta 要素は基本式を定義する。

  • subexpressionmeta 要素で定義された表現をその refines 属性で参照される表現またはリソースの意味を拡張するものである。subexpression は、たとえば、期間を表すことでメディアクリップを精密化したり、個人の役割を定義ことで作成者や貢献者を詳細に述べてもよい(may)。

    Subexpressions は primary expressions とリソースを精密化することに限定されず、それによって情報のチェーンを作成し、他 subexpressions の意味を絞り込むために使用することができる。

メモ

[DCMES] 要素の全ては primary expression を表し、meta 要素の subexpression による精密化を許可する。

この仕様は property 属性で使用するための語彙の集合を予約しますが、単語のための接頭辞を宣言される限り、任意の語彙からの用語を使用してもよい(may)。

meta 要素の値が得られるシステムまたはスキームを識別するのに scheme 属性が用いられる。scheme 属性の値はスキームを定めるリソースへ解決する property データ型である。

次の例では subexpression が Author を表すことを示すために creator に添付することができる方法を示している。scheme は値が MARC relators term から引き出されていることを示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    …
    <dc:creator id="creator">Haruki Murakami</dc:creator>
    <meta refines="#creator" property="role" scheme="marc:relators" id="role">aut</meta>
    …
</metadata>

Reading System が scheme 属性の値を認識しない場合、それは文字列として要素の値を扱うべきである(should)。

Reading System は認識しない表現を定義する property 属性を含んでいるすべての meta 要素を無視すべきである(should)。未知の表現に遭遇するときに Reading System は失敗してはならない(must not)。

Package Identifier が構築されることを保証にするために metadata 要素は出版物のために [DCTERMS] modified プロパティを定義している meta 要素を正確に一つだけ含まなければならない(must)。追加の modified プロパティは含んでもよい(may)が、異なる題目を持たなければならない(must)。例えば、要素もしくはリソースを指す refines 属性を含めなければならない(must)。 追加の modified プロパティが含まれるかもしれないが、それは別の主題を持たなければならない(must)。(すなわちそれらは要素またはリソースを指す refines 属性を含めなければならない(must))。

すべての meta 要素は空白の正規化後の長さが少なくとも1つ以上の文字の値を表現しなければならない(must)。

個々のプロパティが明示的に別の空白の正規化アルゴリズムを定義している場合を除き、Reading System はさらにそれらを処理する前に XML 仕様 [XML] で定義されているように、meta 要素の値からすべての末尾の空白を取り除かなければならない(must)。

次の例は典型的な出版物が含でいるメタデータのより完全なセットを表している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    …
    <dc:identifier id="pub-id">urn:uuid:A1B0D67E-2E81-4DF5-9E67-A64CBE366809</dc:identifier>
    <meta refines="#pub-id" property="identifier-type" scheme="xsd:string">uuid</meta>
    
    <dc:identifier id="isbn-id">urn:isbn:9780101010101</dc:identifier>
    <meta refines="#isbn-id" property="identifier-type" scheme="onix:codelist5">15</meta>
    
    <dc:source id="src-id">urn:isbn:9780375704024</dc:source>
    <meta refines="#src-id" property="identifier-type" scheme="onix:codelist5">15</meta>
    
    <dc:title id="title">Norwegian Wood</dc:title>
    <meta refines="#title" property="title-type">main</meta>
    
    <dc:language>en</dc:language>
    
    <dc:creator id="creator">Haruki Murakami</dc:creator>
    <meta refines="#creator" property="role" scheme="marc:relators" id="role">aut</meta>
    <meta refines="#creator" property="alternate-script" xml:lang="ja">村上 春樹</meta>
    <meta refines="#creator" property="file-as">Murakami, Haruki</meta>
    
    <meta property="dcterms:modified">2011-01-01T12:00:00Z</meta>
    
</metadata>

次の例はメタデータの管理者によって発行された識別子を示している。

<package version="3.0" 
         unique-identifier="pub-id"
         xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf">
    <metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
        <dc:identifier id="pub-id">urn:uuid:1234-5678</dc:identifier>
        <dc:identifier id="isbn-id">urn:isbn:9780101010101</dc:identifier>
        
        <meta refines="#isbn-id" property="meta-auth" id="meta-authority-01">Metadata Authority Inc.</meta>
        <link refines="#meta-authority-01" rel="xml-signature" href="../META-INF/Signatures.xml#MAI-Signature"/>
        …
    </metadata>
</package>

<!-- in Signatures.xml -->
<signatures>
    <Signature Id="MAI-Signature" xmlns="http://www.w3.org/2000/09/xmldsig#">
        …
    </Signature>
</signatures>

> 3.4.8 meta 要素 (OPF2) [OBSOLETE]

[OPF2]で定義されている meta 要素は廃止され、新たな meta 要素で置き換えられますが、前方互換性の目的のための metadata 要素の省略可能な再現性の子要素として含めてもよい(may)。

EPUB3 Reading System はこの要素を無視しなければならない(must)。

> 3.4.10 manifest 要素

manifest 要素は EPUB Publication を構成する Publication Resourceitem 要素によって表される各項目の完全なリストを提供する。

要素名

manifest

使用法

metadata の次の package の二番目の子要素であること(required)。

属性
id [省略可(optional)]

要素の ID [XML] はドキュメントのスコープ内で一意でなければならない(must)。

内容モデル

1つ以上の item 要素 [必須(required)]

メモ

本仕様は国際化されたリソースの命名規則をサポートし、要素と属性は、参照する Publication Resource は IRI をそれらの値として受け入れている。URI のみを受け入れる古い Reading Systems との互換性のためにリソース名は ASCII 文字セットに制限すべきである(should)。

> 3.4.11 item 要素

item 要素は Publication Resource を表している。

要素名

item

使用法

manifestの子要素。繰り返し可能

属性
id [必須(required)]

要素の ID [XML] はドキュメントのスコープ内で一意でなければならない(must)。

href [必須(required)]

IRI [RFC3987]item で記述された Publication Resource の場所を指定する。

media-type [必須(required)]

メディアタイプ [RFC2046]item で記述された Publication Resource の資源の種類と形式を指定する。

fallback [条件付きで必須]

非 Core Media Typeのフォールバックを識別する IDREF [XML]

詳細は Manifest Fallbacks を参照されたい。

properties [省略可(optional)]

property 値のリストをスペースで区切る。

この仕様で定義されたプロパティのセットは Manifest item プロパティを参照されたい。

media-overlay [省略可(optional)]

item に記述されたリソースのために Media Overlay Document を識別する IDREF [XML]

詳細はパッケージング [MediaOverlays30] を参照されたい。

内容モデル

manifest の各 item 要素は href 属性で提供されてる IRI で Publication Resource を識別する。IRI は絶対 IRI または相対 IRI でもよい。相対 IRI の場合、Reading System は絶対 IRI を解決するときに、ベースとして Package Document の IRI を使用しなければならない(must)。結果として生成された絶対 IRI は manifest のスコープ内で一意でなければならない(must)。

すべての Publication Resources はそれらが EPUB Container に含まれているかあるいはリモートにあるかどうかにかかわらず、manifest から参照されなければならない(must)。リソースの場所に関するメディアタイプ固有の要件については Publication Resource の位置を参照されたい。

item 要素で識別される Publication Resource は media-type 属性で提供される MIME media type から推測される該当する仕様に準拠しなければならない(must)。Core Media Type ResourceEPUB Core Media Types で指定されたメディアタイプを使用しなければならない(must)。

制限とフォールバック で定義されているように、すべての Foreign Resource はフォールバックを提供しなければならない(must)。

すべての Publication Resources は item 要素の properties 属性を通して Manifest item プロパティで定義されている該当する記述メタデータのプロパティを宣言しなければならない(must)。正確に1つの itemnav プロパティを使用して EPUB Navigation Document として宣言しなければならない(must)。

Reading System は認識しないすべての記述メタデータのプロパティを無視しなければならない(must)。

manifest は自己参照ではありません:それは Package Document 自体を参照する item 要素を含めてはならない(must not)。

メモ

manifest における item 要素の順序は重要ではない。コンテンツ文書の提示順序は spine によって提供される。

次の例は Core Media Type Resource だけが含まれている manifest を示している。

<manifest>
    <item id="nav" 
          href="nav.xhtml" 
          properties="nav"
          media-type="application/xhtml+xml"/>
    <item id="intro" 
          href="intro.xhtml" 
          media-type="application/xhtml+xml"/>
    <item id="c1" 
          href="chap1.xhtml" 
          media-type="application/xhtml+xml"/>
    <item id="c1-answerkey" 
          href="chap1-answerkey.xhtml" 
          media-type="application/xhtml+xml"/>
    <item id="c2" 
          href="chap2.xhtml" 
          media-type="application/xhtml+xml"/>
    <item id="c2-answerkey" 
          href="chap2-answerkey.xhtml" 
          media-type="application/xhtml+xml"/>
    <item id="c3" 
          href="chap3.xhtml" 
          media-type="application/xhtml+xml"/>
    <item id="c3-answerkey" 
          href="chap3-answerkey.xhtml" 
          media-type="application/xhtml+xml"/>
    <item id="notes" 
          href="notes.xhtml" 
          media-type="application/xhtml+xml"/>
    <item id="cover" 
          href="./images/cover.svg" 
          properties="cover-image"
          media-type="image/svg+xml"/>
    <item id="f1" 
          href="./images/fig1.jpg" 
          media-type="image/jpeg"/>
    <item id="f2" 
          href="./images/fig2.jpg" 
          media-type="image/jpeg"/>
    <item id="css" 
          href="./style/book.css" 
          media-type="text/css"/>   
    <item id="pls" 
          href="./speech/dict.pls" 
          media-type="application/pls+xml"/>
</manifest>

次の例は、二つの Foreign Resource の参照およびコンテンツの選択肢を提供する fallback chain mechanism のメカニズムを使用している manifest を示している。fallback chain は Core Media Type で終了する。

<manifest>
    <item id="item1" 
          href="chap1_docbook.xml" 
          media-type="application/docbook+xml" 
          fallback="fall1"/>
    <item id="fall1" 
          href="chap1.xml" 
          media-type="application/z3986-auth+xml" 
          fallback="fall2" />
    <item id="fall2" 
          href="chap1.xhtml" 
          media-type="application/xhtml+xml"/> 
    … 
</manifest>

メモ

properties 属性の使用については Manifest item properties の例も参照されたい。

> 3.4.12 spine 要素

spine 要素は、manifest item references の順序付きリストを定義することで、EPUB Publication コンテンツのデフォルトの読み上げ順序を定義する。

要素名

spine

使用法

manifest の次に記述される package の三番目の必須の子要素

属性
id [省略可(optional)]

要素の ID [XML] はドキュメントのスコープ内で一意でなければならない(must)。

toc [省略可(optional)]

NCX の置き換えを表す manifest の item を識別することを意味する IDREF [XML]

詳細については NCX の廃止 を参照されたい。

page-progression-direction [省略可(optional)]

Publication のコンテンツフローの全体の送り方向。

指定できる値は ltr(左から右)、rtl(右から左)と default

default 値が指定されている場合、Author は望む送り方向を表現していないので Reading System は、レンダリング方向を選んでもよい(may)。属性が指定されていない場合は、この値を想定しなければならない(must)。

内容モデル

複数の itemref 要素。[必須(required)]

spine は、実行を補助する参照されていないコンテンツ項目を含む manifest に記載されている Publication Resource の順序付けされたサブセットを表している。

Reading System は含まれている spine によって定義された順序で Publication をレンダリングするための手段を提供しなければならない(must):1)Publication の主な読み上げ順序の最初として、spine で最初のプライマリ(linear='yes'item の認識。2)spine で指定された順序で連続する主要な項目をレンダリング。

メモ

page-progression-direction 属性は出版物のグローバルな流れの方向を定めているが、個々のコンテンツの文書とコンテンツ文書の部分は、この設定を(例えば、directionwriting-mode の CSS プロパティを介して)上書きしてもよい(may)。Reading System は(例えばボタンまたは代替スタイルシートの適用を可能にする設定で)のデフォルトの方向を上書きするためのまたメカニズムを提供してもよい(may)。

NCX の廃止

[OPF2] で定義されている NCX の機能は、EPUB Navigation Document [ContentDocs30] に取って代わられている。EPUB 3 Publication は EPUB2 Reading System の上位互換性のために NCX を(OPF2.0.1 で定義されている)を含めてもよいが(may)、EPUB 3 Reading System は EPUB Navigation Document を支持して NCX を無視しなければならない(must)。

メモ

EPUB 2 NCX と EPUB 3 Navigation Document は Package Document (それぞれ、spine toc 属性と manifest item 要素上の nav プロパティ)の識別に異なるメカニズムを使用するので、それらは EPUB 3 Publication 内で競合することなく共存できる。

> 3.4.13 itemref 要素

spine の子要素の itemref 要素は Publication Resource の順次リストを表している。(典型的な EPUB Content Documentitemref 要素の順序は、出版物のデフォルトの読み上げ順序を定義する。

要素名

itemref

使用法

spine の子要素。繰り返し可

属性
idref [必須(required)]

manifest の item を識別する IDREF [XML]

linear [省略可(optional)]

参照先のコンテンツが主であるかどうかを指定する。

属性の値は、 yes または no でなければならない(must)。デフォルト値は yes である。

id [省略可(optional)]

要素の ID [XML] はドキュメントのスコープ内で一意でなければならない(must)。

properties [省略可(optional)]

property の値はリストをスペースで区切られたリストである。

この仕様で定義されたプロパティのセットに対して、Spine itemref プロパティを参照されたい。

内容モデル

itemref 要素は idref 属性を経由して manifestitem を参照しなければならない(must)。

参照される各 manifest の item は a)EPUB Content Document または b)Publication Resource の別の型のいずれかでなければならない(must)。 b は Core Media Type Resource または Foreign Resourceであるかどうか関係なく、その fallback chain の中に EPUB Content Document が含まれていなければならない(must)。

メモ

EPUB Navigation DocumentEPUB Publication に必須とされていますが、spine に含めるのは省略可能である。

itemref 要素の linear 属性は参照された item が spine の中で主(yes)または補助(no)であるかをを示している。この属性は Reading Systems は可能性がある補足的なコンテンツから、本文の内容のプレゼンテーションを区別するために有効にするために使用してもよい(may)。例えば、ポップアップウィンドウに表示または聴覚的な演出から省略。

Spine itemref プロパティで定義されているもののように、該当する記述的なメタデータのプロパティは properties を経由して宣言するべきである(should)。

Reading System は認識しない properties 属性で表現されるすべてのメタデータプロパティを無視しなければならない(must)。

次の例は上記の manifest の例に対応する spine の要素を示している。

<spine page-progression-direction="ltr">
    <itemref idref="intro"/>
    <itemref idref="c1"/>
    <itemref idref="c1-answerkey" linear="no"/>
    <itemref idref="c2"/>
    <itemref idref="c2-answerkey" linear="no"/>
    <itemref idref="c3"/>
    <itemref idref="c3-answerkey" linear="no"/>
    <itemref idref="notes" linear="no"/>
</spine>

> 3.4.14 guide 要素 [廃止]

guide 要素 [OPF2]EPUB Navigation Documentlandmarks 機能により時代遅れになっている。 詳細については landmarks nav 要素 [ContentDocs30] を参照してください。

Author は EPUB2 Reading System との上位互換性のために Package Document の guide 要素を含んでもよい(may)。その EPUB Navigation Documentlandmarks 機能を含む EPUB 3 Publication で提供されているときに EPUB3 Reading System は、ガイドの要素を無視しなければならない(must)。

> 3.4.15 bindings 要素

bindings 要素はこの仕様によってサポートされていないメディアタイプのためのカスタムハンドラのセットを定義している。

要素名

bindings

使用法

spine または guide の次に来る、package の4番目か5番目の省略可能な子要素。

属性

なし。

内容モデル

1つ以上の mediaType 要素 [必須(required)]

package 要素は多くても1つの bindings 要素を含めてもよい(may)。

bindings 要素は特に [HTML5] object 要素の固有のフォールバックメカニズムを使用して、より洗練されたフォールバックを含むように Author のための手段を提供する。 bindings 要素が存在するとき、参照サポートされていないメディアタイプの object 要素を取り扱うために、スクリプトをサポートする Reading System は bindings 要素を利用しなければならない(must)。

それぞれの bindings 要素の子にあたる mediaType 要素は出版物の XHTML Content Documentで参照されている外部のメディアタイプのいずれかの固有のハンドラを定義する。

サポートされていないメディアタイプが文書の処理中に検出されると Reading System はフォールバックの処理の他の種類を試行する前に)一致する各 mediaType 要素の media-type 属性をチェックすることによって bindings 要素のハンドラをルックアップしなければならない(must)。一致が見つかった場合、要素の handler 属性で参照される XHTML Content Document は参照されるリソースの代わりにインスタンス化しなければならない(must)。一致が見つからない場合は Reading System は、通常のフォールバック処理を継続して使用してください(should)。(つまり object の固有のフォールバックをチェック)

それは次のパラメータを使用して object 要素の data 属性から参照されているかのように Reading System は指定されたハンドラをインスタンス化しなければならない(must):

src

値はリソースへの IRI [RFC3987] (すなわち object 要素の data 属性の値)でなければならない(must)。

type

値はリソースのメディアタイプ(すなわち object 要素の media-type 属性の値)でなければならない(must)。

object 要素の任意の追加した子 param 要素も同様に新しいパラメータ名として paramname 属性、新しい値として value 属性を使用しなければならない(must)。

たとえば次の外部メディアタイプを含む object 要素は:

<object data="horse.ogg" media-type="audio/ogg"/>
    <param name="autoplay" value="false">
</object>

次のクエリ文字列の結果になり、処理後は XHTML Content Document のハンドラに送信される:

src=horse.ogg&type=audio/ogg&autoplay=false

生成されるクエリ文字列に含まれるすべての IRI 予約語と <, >, ", space, {, }, |, \, ^, ` を加えた文字は [RFC3987] の通りにエンコード・デコードされなければならない(must)。

bindings 要素よって扱われるメディアタイプを参照する object 要素は spine によって参照された XHTML Content Document のみ処理をします(すなわちそれらは container-constrained scripting contexts で無視されます)。

次の部分的な例では bindings をスライドショーを提供するために使用する方法を示している。

以下の Package Document を持つ出版物を考えている:

<package …>
    …
    <manifest>
        <item id="pict1" 
            href="images/Pict1.jpg" 
            media-type="image/jpeg"/>
        …
        <item id="content" 
            href="content.xhtml" 
            media-type="application/xhtml+xml"/>
        <item id="impl" 
            href="impl.xhtml" 
            media-type="application/xhtml+xml" 
            properties="scripted"/>
        <item id="slideshow" 
            href="slideshow.xml" 
            media-type="application/x-demo-slideshow"/>
    </manifest>
    
    <bindings>
        <mediaType handler="impl"
            media-type="application/x-demo-slideshow"/>
    </bindings>
    …
</package>

そして以下の内容は content.xhtml ファイル:

<html …>
    …
    <body>
        …
        <object data="slideshow.xml" 
            type="application/x-demo-slideshow">
            <img src="images/Pict1.jpg"/>
            <img src="images/Pict2.jpg"/>
            <img src="images/Pict3.jpg"/>
            <img src="images/Pict4.jpg"/>
        </object>
        …
    </body>
</html>

そして以下の内容は slideshow.xml ファイル:

<slides>
    <slide src="images/Pict1.jpg" dur="3"/>
    <slide src="images/Pict2.jpg" dur="3"/>
    <slide src="images/Pict3.jpg" dur="3"/>
    <slide src="images/Pict4.jpg" dur="3"/>
</slides>

User の Reading System の機能に応じて、それらは次のいずれかの演出のスライドショーが表示するとおもわれる:

  • Reading System はネイティブのスライドショー形式をサポートしている場合、slideshow.xml で指定されている画像の回転セットをレンダリングする。

  • Reading System がスライドショーのメディアタイプをサポートせず、スクリプトをサポートする場合、スクリプトフォールバックのために Package Document 内の bindings 要素を確認することができる。そこにはハンドラのドキュメント(impl.xhtml)を含む item 要素への参照が見つかるとおもわれる。Reading System は現在(ソースは示していない)スライドショーの JavaScript と同等のものをレンダリングするためにこの文書をロードすることができる。

  • Reading System がスライドショーのメディアタイプをサポートしておらずまたスクリプティングもサポートしていない場合、それは object 要素で指定されたフォールバック画像を使用して、すべての画像の静的なセットを表示するとおもわれる。

> 3.4.16 mediaType 要素

mediaType 要素はあるハンドラ XHTML Content DocumentForeign Resource メディアタイプを結びつける。

要素名

mediaType

使用法

bindings の子要素。繰り返し可能

属性
media-type [必須(required)]

処理されるリソースの種類と形式を指定するメディアタイプ [RFC2046]

handler [必須(required)]

この要素で指定された種類のコンテンツを処理するために起動する manifest XHTML Content Document を識別する IDREF [XML]

内容モデル

bindings 要素のそれぞれの子要素 mediaTypemedia-type 属性でユニークなコンテンツタイプを定義しなければならず(must)、指定したメディアタイプは Core Media Type であってはならない(must not)。

必要な handler 属性は、このメディアタイプのデフォルトの実装の manifest 内の item ID [XML] を参照する必要がある。参照される item は XHTML Content Document でなければならない(must)。

ハンドラとして指定されたすべての XHTML Content Document はその manifest item 要素の properties 属性で設定された scripted プロパティを持たなければならない(must)。

> 4 Package Metadata

> 4.1 Publication Identifiers

> 4.1.1 Unique Identifier

Package Document の author は唯一の、ある特定の EPUB Publication に一意である主要な識別子を含む責任がある。Unique Identifier は選択されたまたは割り当てられているかどうかに関わらず、パッケージのメタデータの dc:identifier 要素に格納する必要があり、package 要素の unique-identifier 属性の Unique Identifier として参照されなければならない(must)。

静的(固定)ではないが Publication の Unique Identifier の変更はできる限り、めったに行わないようにするべきである(should)。メタデータを更新するときや誤植を直すとき、Publication に他のマイナーな変更をするときは、新しい識別子を付与するべきではない(should not)。

> 4.1.2 Package Identifier

Unique Identifier が参照し配布目的のために両方の最大の永続性を持つように意図されているので、EPUB PublicationUnique Identifier は通常、パッケージまたはその内容にそれぞれのマイナーリビジョンで一般的に変わってはいけません(should not)。通常、出版物の各リリースは新しいバージョンを一意に識別できる必要があるが、これは結果として変更可能であり、かつ信頼性の高い Unique Identifier という相反する要求が生じる。

Unique Identifier を変更せずにマイナーな修正とリリースを識別する課題を是正するために、この仕様は Package Identifier のセマンティクスを定義して、または同じ Unique Identifier を持つ出版物を識別し、連続した順序を示す手段を定める。Package Identifier はパッケージの metadata セクションの実際のプロパティではなく、メタデータの二つの必須の部分である Unique Identifier と Publication の最終修正日付から得られる値である。

一緒になる合計値は EPUB Manifestation の任意の特定のバージョンを区別するために使用できる一意の識別子を表している。Package Identifier が構築できることを保証するために出版物は最後の変更日を(meta を参照)を含む正確に1つの [DCTERMS] modified プロパティが含まれなければならない(must)。このプロパティの値は XML Schema [XSD-DATATYPES] dateTime に準拠する日付の形でなければならない(must):

CCYY-MM-DDThh:mm:ssZ

変更日は協定世界時(UTC)で表現され、 Z タイムゾーンインジケータで終了しなければならない(must)。

パッケージ・メタデータの一部でない、リファレンスをつけていて他の目的のために、識別子のすべての文字列表現が区切り文字としてアットマーク(@)を使って構成されること(すなわち id@date の形)を仕様は義務づける。文字列を連結するときに空白が含まれてはならない(must not)。

次の例は Unique Identifier と変更日が Package Identifier を形成するために組み合わされる方法を示している。

<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
    <dc:identifier id="pub-id">urn:uuid:A1B0D67E-2E81-4DF5-9E67-A64CBE366809</dc:identifier>
    <meta property="dcterms:modified">2011-01-01T12:00:00Z</meta>
    …
</metadata>

results in the Package ID:

urn:uuid:A1B0D67E-2E81-4DF5-9E67-A64CBE366809@2011-01-01T12:00:00Z

これらの識別子は任意の文字列の値でもよく(may)、区切り文字が Unique Identifier の中に生じてもよい(may)可能性があることに注意されたい。その故に Package Identifier はその構成部分に分解するときに最後の @ 記号の箇所で分割しなければならない(must)。

Package Identifier は Unique Identifier を優先しないが、同じ出版物の異なるバージョンを区別し、流通チャネルや Reading System によって識別することができる手段を意味する。タイムスタンプの必須形式を受け継ぐことで、識別子の正確な知識なしに出版物を連続する年代順に配置することもできる。

従って出版物のセットは Package Identifier によって、それらが同じ出版物の同じバージョンか、一つの出版物の異なるバージョンか、異なっていて類似した出版物の組合せをかどうかを判断する為に調べられることができる。

> 4.2 語彙の関連付けメカニズム

> 4.2.1 要約

このセクションは参考情報である。

propertypropertiesrelscheme 属性はメタデータ語彙の用語を表すために property のデータ型を使用する。CURIE [RDFa10] と同様に property のデータ型はコンパクトなフォームで IRI [RFC3987] を表し、標準化された語彙のメタデータ作成を簡略化する。

プロパティ値は接頭辞と参照の組み合わせにより表現される。接頭辞とは、(リテラルまたは暗黙的かを問わず)一般的にある用語の語彙に解決される IRI の簡略マッピングである。接頭辞をその IRI 表現に変換し参照と組み合わせると、結果として IRI は通常、用語についての人間および/または機械可読な情報を含んでいる語彙内のフラグメントに解決される。

プロパティ値の処理に Reading System を支援するために接頭辞をマップするための IRI を確立する手段が必須であり、この仕様は、次の3つのメカニズムを定義しています:

  • 標準の語彙 - が接頭辞を含んでいないときのマッピングを定義する;

  • 予約済み接頭辞のセット - これらのマッピングはあらかじめ定義されており(すなわち全ての Reading System がそれらを認識する)、宣言することなく使用することができる;そして

  • prefix 属性 - ルート package 要素に接頭辞のマッピングを作成することで宣言できる。

> 4.2.2 標準の語彙

デフォルトの語彙はパッケージのメタデータでその用語を使用するために宣言する必要がない語彙であり、その用語は常に接頭辞が付かないようにしなければならない(must)。

パッケージのメタデータを含めることを容易にするために、この仕様は Package Document のデフォルトの語彙として Package Metadata Vocabulary を定義している。

property の値に接頭辞が含まれていない場合、IRI [RFC3987] stem http://idpf.org/epub/vocab/package/# は結果の IRI を生成するために使用しなければならない(must)。

パッケージのメタデータ語彙に関連付けられた IRI は、prefix 属性を使用して接頭辞を割り当ててはならない(must not)。

> 4.2.3 予約済みの語彙

この仕様では排他的にパッケージのメタデータで使用するために次の接頭辞のセットを定義する。

予約済メタデータの接頭辞
Prefix IRI
dcterms http://purl.org/dc/terms/
marc http://id.loc.gov/vocabulary/
media http://www.idpf.org/epub/vocab/overlays/#
onix http://www.editeur.org/ONIX/book/codelists/current.html#
xsd http://www.w3.org/2001/XMLSchema#

前の表に記載されている接頭辞は prefix 属性の宣言のメカニズムを使用して再宣言してはならない(must not)。同様に、各接頭辞に関連付けられた IRI は別の接頭辞に割り当ててはならない(must not)。

> 4.2.4 prefix 属性

prefix 属性は仕様で予約されていない追加の接頭辞のマッピングを定義する。

prefix 属性の値は1つまたは複数の接頭辞から IRI へのマッピングの空白で区切ったリストの形である:

(EBNF productions ISO/IEC 14977)
prefixes = mapping , { whitespace, { whitespace } , mapping } ;
mapping = prefix , ":" , space , { space } , ? xsd:anyURI ? ;
prefix = ? xsd:NCName ? ;
space = #x20 ;
whitespace = (#x20 | #x9 | #xD | #xA) ;

次の例ではフレンドの Friend (foaf) と prefix 属性を使用して宣言されている DBPedia (dbp) ボキャブラリの prefix 属性を示している。

<package … 
	prefix="foaf: http://xmlns.com/foaf/spec/
		 dbp: http://dbpedia.org/ontology/">
	…
</package>

prefix 属性は標準の語彙定義済みの接頭辞を再定義するために使用してはならない(must not)。

接頭辞 '_' は RDFa [RDFa10] の処理と将来の互換性のために予約されているので、定義してはならない(must not)。

> 4.2.5 property のデータ型

> 4.2.5.1 シンタックス

property のデータ型は IRI [RFC3987] を表現するコンパクトな手段であり、コロンで参照から分離されたオプションの接頭辞で構成されている。

(EBNF productions ISO/IEC 14977)
property = [ prefix , ":" ] , reference;
prefix = ? xsd:NCName ? ;
reference = ? irelative-ref ? ; /* as defined in [RFC3987] */

property のデータ型は [RDFa10] で定義されている CURIE のデータ型から派生し CURIE のサブセットを表している。

次の例では接頭辞の dcterms とリファレンスの modified で構成されるプロパティの値を示している。

<meta property="dcterms:modified">2011-01-01T12:00:00Z</meta>

処理後のプロパティは次の IRI のように展開される:

http://purl.org/dc/terms/modified

dcterms:接頭辞が予約済みの接頭辞で IRI http://purl.org/dc/terms/ にマップされる。

接頭辞がプロパティの値から省略された場合、表現される基準は標準の語彙の用語を表している。

次の例では標準の語彙から取られたプロパティの値を示している。

<meta … property="role">aut</meta>

このプロパティは以下のように展開される:

http://idpf.org/epub/vocab/package/#role

これは標準の語彙の IRI が参照と連結されている場合である。

上記の定義が妥当であっても、空の文字列は妥当なプロパティの値ではない。

> 4.2.5.2 処理

Reading System がプロパティから IRI [RFC3987] を作成するには次の規則を使用しなければならない(must):

  • プロパティが参照のみで構成されている場合、IRI は標準の語彙に関連する IRI の語幹を参照に連結することによって得られる。

  • プロパティが接頭辞と参照から構成されている場合は、IRI が接頭辞に関連付けられた IRI の語幹を参照に連結することによって得られる。一致する接頭辞が定義されていない場合、プロパティは無効である。

結果の IRI は [RFC3987] に妥当でなければならない(must)。しかし Reading System はこの IRI を解決する必要はない。

> 4.3 Package Metadata Vocabulary

> 4.3.1 要約

このセクションは参考情報である。

以下のセクションはパッケージ・メタデータで使用するために一組のプロパティを定めて、参照できる語彙を構成している。この語彙は、パッケージ・メタデータでこの仕様によって非接頭辞を付けられた語の用法のために予約されている標準の語彙である。

この語彙で定義されているプロパティは、ベース IRI http://idpf.org/epub/vocab/package/# を使用して参照可能である。

メモ

可能な場合はいつでも、以下のセクションのプロパティ使用例は metadatameta 例から得られる。それらの例のより完全なコンテキストについて参照されたい。

> 4.3.2 Metadata meta プロパティ

meta 要素のプロパティは、詳細の追加レベルを提供することにより、出版物のメタデータを拡張する。

これらのプロパティは、それぞれの親の meta 要素の refines 属性で補強したり、リソースを参照しなければならない(must)。

次の表は詳細利用可能なプロパティの詳細である。

> alternate-script
概要:

alternate-script プロパティは、xml:lang 属性によって識別される言語とスクリプト内の関連するプロパティ値の代替表現を提供する。

このプロパティは、国際化目的のために creatortitle プロパティに、典型的に付けられる。

許容された値: xsd:string
個数:

メタデータセクション内:0個以上

他のメタデータに付ける場合:0または1つ

拡張できる対象: すべてのプロパティ
例: <meta refines="#creator" property="alternate-script" xml:lang="ja">村上 春樹</meta>
> display-seq
概要:

display-seq プロパティは、(例えば、複数の title をレンダリングする順序を示すためなど)同じメタデータプロパティに現在のプロパティの相対を表示する位置を数値で示している。

display-seq プロパティはセット内のメンバーの(全てではなく)一部に接続されている場合、配列を有するとして同定された唯一の要素は、任意のレンダリングに含まれるべきである(should)。

許容された値: xsd:unsignedInt
個数:

メタデータセクション内:0個以上

他のメタデータに付ける場合:0または1つ

拡張できる対象: すべてのプロパティ
例: <meta refines="#t2" property="display-seq">1</meta>
> file-as
概要: file-as プロパティは、ソートするための関連するプロパティの正規化形式を提供する。
許容された値: xsd:string
個数:

メタデータセクション内:0個以上

他のメタデータに付ける場合:0または1つ

拡張できる対象: すべてのプロパティ
例: <meta refines="#creator" property="file-as">Murakami, Haruki</meta>
> group-position
概要:

group-position プロパティは、出版物が同じグループに属する他の作品に相対的な順序付けされている数値の位置を示している(EPUBを問わず)。

group-position プロパティは、(そのようなシリーズのタイトルとして)グループを確立する任意のメタデータのプロパティに接続することができる。

出版物は、複数のグループに属することができる。

許容された値: 単一の xsd:unsignedInt または小数点で区切られた数字(例えば、 12.2.1)。
個数:

メタデータセクション内:0個以上

他のメタデータに付ける場合:0または1つ

拡張できる対象: すべてのプロパティ
例: <meta refines="#t3" property="group-position">2</meta>
> identifier-type
概要:

identifier-type プロパティは、フォームまたは identifier の性質を示している。

identifier-type の値はコードのリストまたはその他の正式な列挙から得ている場合、 scheme 属性は、そのソースを識別するために接続するべきである(should)。

許容された値: xsd:string
拡張できる対象: identifier
個数:

メタデータセクション内:0個以上

他のメタデータに付ける場合:0または1つ

例: <meta refines="#src-id" property="identifier-type" scheme="onix:codelist5">15</meta>
> meta-auth
概要: meta-auth プロパティは、パッケージ・メタデータのインスタンスに対して責任がある関係者や権限の名前を提供する。
許容された値: xsd:string
個数:

メタデータセクション内:0個以上

他のメタデータに付ける場合:0または1つ

拡張できる対象: すべてのプロパティ
例: <meta refines="isbn-id" property="meta-auth" id="meta-authority-01">Metadata Authority Inc.</meta>
> role
概要:

role プロパティは creator または contributor (例えば、人が仕事の著者または編集者であること)によって実行される作業の性質を説明している。

role の値は、コードのリストまたはその他の正式な列挙から得ている場合、scheme 属性は、そのソースを識別するために付与するべきである(should)。

許容された値: xsd:string
個数:

メタデータセクション内:0個以上

他のメタデータに付ける場合:0または1つ

拡張できる対象: contributor, creator
例: <meta refines="#creator" property="role" scheme="marc:relators">aut</meta>
> title-type
概要:

title-type プロパティは、フォームまたは title の性質を示している。

title-type の値はコードのリストまたはその他の正式な列挙から得ている場合、 scheme 属性は、そのソースを識別するために接続しなければならない(should)。スキームが指定されていないときは Reading System は次のタイトルの型の値を認識するべきである(should)。main, subtitle, short, collection, editionexpanded

許容された値: xsd:string
拡張できる対象: title
個数:

メタデータセクション内:0個以上

他のメタデータに付ける場合:0または1つ

例: <meta refines="#title" property="title-type">main</meta>

> 4.3.4 Manifest item プロパティ

次の表は、 manifestitem 要素の properties 属性で使用するためのプロパティを定義する。

適用対象 フィールドが指定されたプロパティが上で指定されるかもしれない Publication Resource の種類(複数可)を示し、個数 フィールドは、プロパティは Package Document のスコープ内に出現する回数を示し、使用法 フィールドには、使用条件を示さなければならない(must)

> cover-image
概要: cover-image プロパティは、出版物のカバーイメージとして説明され Publication Resource を識別する。
適用対象: 全てのラスターとベクター画像の型
個数: 0または1つ
使用法: 省略可能
> mathml
概要: mathml プロパティは Publication Resource に1つまたは複数の MathML マークアップのインスタンスが含まれる場合に記述する。
適用対象: EPUB Content Document
個数: 0個以上
使用法: 上記の Description の条件を満たす場合にのみ、設定しなければならない(must)。
> nav
概要: nav プロパティは出版物の EPUB Navigation Document を構成する Publication Resource が記述されていることを示している。
適用対象: EPUB Navigation Document
個数: 1つ
使用法: 必須
> remote-resources
概要:

remote-resources プロパティは EPUB Container の外部にある他の Publication Resource を参照している一つ以上の Publication Resource が記述されていることを示している。

(詳細については、Publication Resource の位置を参照してください。)

適用対象: 内部参照(例えば、XHTML Content DocumentSVG Content DocumentEPUB Style SheetMedia Overlay Document)の機能を持つすべての出版のリソース。
個数: 0個以上
使用法: 上記の概要で指定された基準が満たされている場合にだけ、設定しなければならない(must)。
> scripted
概要: scripted プロパティは Publication Resource に記述された Scripted Content Document(すなわち、HTML5 forms からスクリプト化されたコンテンツや要素を含む)を示している。
適用対象: EPUB Content Document
個数: 0個以上
使用法: 上記の概要で指定された基準が満たされている場合にだけ、設定しなければならない(must)。
> svg
概要: svg プロパティが記述された Publication Resource は一つ以上の SVG マークアップインスタンスが含まれていることを示している。
適用対象: XHTML Content Documents; 値は SVG Content Document に対して暗黙的に指定される
個数: 0個以上
使用法: 上記の概要で指定された基準が満たされている場合にだけ、設定しなければならない(must)。
> switch
概要: switch プロパティが記述された Publication Resource は一つ以上の epub:switch 要素インスタンスが含まれていることを示している。
適用対象: XHTML Content Document
個数: 0個以上
使用法: 上記の概要で指定された基準が満たされている場合にだけ、設定しなければならない(must)。

mathmlremote-resourcesscriptedsvgswitchitem によって参照されるリソースは、それぞれの定義が一致するたびにプロパティを指定しなければならない(must)。これらのプロパティは、(例えば、HTML5 の iframe 要素によって)リソースに含まれている内容に再帰的に適用されない。例えば、非スクリプトな XHTML Content Document に スクリプトを用いた Content Document を埋め込む場合、(スクリプトが)埋め込まれたドキュメントのみ manifest の item プロパティの属性値に scripted を持つことになる。

次の例は、出版物の EPUB Navigation Document を表す manifestitem 要素を示している。

<item properties="nav" id="c1" href="c1.xhtml" media-type="application/xhtml+xml" />

次の例は、出版物のカバーイメージを表す manifestitem 要素を示している。

<item properties="cover-image" id="ci" href="cover.svg" media-type="image/svg+xml" />

次の例は、組み込み MathML を含んでいる Scripted Content Document を表す manifestitem 要素を示している。

<item properties="scripted mathml" id="c2" href="c2.xhtml" media-type="application/xhtml+xml" />

> 4.3.5 Spine itemref プロパティ

次の表は itemref 要素の properties 属性で使用するためのプロパティを定義している。

個数 欄は Package Document scope の中に出現する回数を示さなければならず(must)、使用例 欄は使用状況を示しる。

> page-spread-left
概要: page-spread-left プロパティは、EPUB Content Document に関連付けられた item の最初のページが見開きの左側を表すことを示している。
個数: 0個以上
使用例 省略可能。また、このプロパティは、page-spread-right プロパティを指定する itemref に指定してはならない(must not)。
> page-spread-right
概要: page-spread-right プロパティは、EPUB Content Document に関連付けられた item の最初のページが見開きの右側を表すことを示している。
個数: 0個以上
使用例 省略可能。また、このプロパティは、page-spread-left プロパティを指定する itemref に指定してはならない(must not)。

次の例は、地図の見開きがどのように spine で示されるかを表している。

<spine>
	<itemref idref="title"/>
	<itemref idref="ps-1-l" properties="page-spread-left"/>
	<itemref idref="ps-1-r" properties="page-spread-right"/>
	<itemref idref="toc"/>
	…
</spine>

> 5 Publication Resources

> 5.1 Core Media Types

次の表は EPUB 3 Core Media Types を示している。Publication Resource が Core Media Type の仕様に準拠している時、それが Core Media Type Resource であるとフォールバック(詳細については、制限とフォールバックを参照)することなく出版物に含めることができる。

表の列には、以下の情報を表している:

メディアタイプ

MIME media type [RFC2046]manifest で指定された Publication Resource を表すために使用される。

コンテンツタイプの定義

仕様は特定の Core Media Type Resource に準拠しなければならない(must)。

適用

メディアタイプとコンテンツタイプの定義に適合する Publication Resource のタイプ。

EPUB Core Media Types
メディアタイプ コンテンツタイプの定義 適用
画像タイプ
image/gif [GIF] GIF 画像
image/jpeg [JPEG] JPEG 画像
image/png [PNG] PNG 画像
image/svg+xml SVG Content Documents [ContentDocs30] SVG 文書
アプリケーションタイプ
application/xhtml+xml XHTML Content Documents [ContentDocs30] XHTML Content DocumentEPUB Navigation Document
application/x-dtbncx+xml [OPF2] 廃止の NCX
application/vnd.ms-opentype [OpenType] OpenType フォント
application/font-woff [WOFF] WOFF フォント
application/smil+xml [MediaOverlays30] EPUB Media Overlay Document
application/pls+xml [PLS] Text-to-Speech (TTS) 発音語彙
オーディオタイプ
audio/mpeg [MP3] MP3 オーディオ
audio/mp4 [AAC LC], [MP4] MP4 コンテナを使用している AAC LC オーディオ
テキストタイプ
text/css EPUB Style Sheets [ContentDocs30] EPUB Style Sheets.
text/javascript [RFC4329] Scripts

メモ

この仕様は Core Media Type などのビデオコーデックを定義しない。EPUB Publication のビデオコーデックのサポートに関する参考推奨事項については、上記の EPUB Publication のメモ - Reading System の適合性を参照されたい。

> 5.2 制限とフォールバック

> 5.2.1 Foreign Resource に関する制限

EPUB Publication のすべての Publication ResourceCore Media Type Resource であるか、または Core Media Type fallback を提供しなければならない(must)。Foreign Resource が使用されるケース、およびこのような場合に Core Media Type fallback 供給のための要件とルールは以下に詳述される。

EPUB Content Document 固有のフォールバック

> Foreign Resource は明示的で本質的なフォールバックメカニズム(例えば [HTML5] objectcanvasaudiovideo の要素)を持つ EPUB Content Document の要素から参照されることがある。Core Media Type resource はそのような場合の特定の要素の本質的なフォールバックメカニズムを介して提供されなければならない(must)。

> [HTML5] video 要素の場合は video 要素内に埋め込まれた poster 属性およびテキストで参照される画像は video 要素の固有のフォールバック機能に加え、有効な Core Media Type fallback を考えられている。動画または特定の動画形式をサポートしていない Reading System のための最後の手段のフォールバックを提供することを目的として、これらの少なくとも一つは video 要素が出現するたびに含まれるべきである(should)。

> [HTML5] audio 要素のための要素内に埋め込まれたテキストの内容も audio 要素の本質的なフォールバック機能に加え、有効な Core Media Type fallback とみなされる。音声をサポートしていない Reading System の最後の手段のフォールバックを提供することを目的として、埋め込まれたテキストの内容は audio 要素の各出現に含まれるべきである(should)。

> この仕様のこのバージョンでは [HTML5] track 要素は Core Media Type usage rule が免除される:Foreign Resource は Core Media Type fallback を提供することなく track から参照できる。

EPUB Style Sheet 固有のフォールバック

> @font-face メカニズムを使用して Content Document または EPUB Style Sheet に埋め込まれているフォントは Foreign Resource であるかもしれない。Reading System はサポートされていないフォントの種類のフォールバックを識別するときに rules for matching font styles [CSS3Fonts] を使用しなければならない(must)。

Spine Resources

> Foreign Resourceは spineitemref 要素から直接参照することができ、この場合 Manifest フォールバックを提供しなければならない(must)。

> 5.2.2 Manifest フォールバック

フォールバックは EPUB Content Document ではない spineitemref 要素で参照される Publication Resource 毎に用意されなければならない(must)。

フォールバックは Publication Resource を表す manifest item 要素で fallback 属性を使用して提供されなければならない(must)。fallback 属性のIDREF [XML] 値は manifest 内の他の item へ解決しなければならない(must)。このフォールバック item は、それ自体は別のフォールバックの item を指定してもよい(may)。

特定のアイテムの fallback 属性から始まり到達できるすべての ID の参照の順序付きリストは、その項目の fallback chain を表している。fallback chain 内のリソースの順序は、Author の好みのフォールバックの順序を表している。

特定の Publication Resource の Media Type をサポートしていない Reading System は、サポートされていないリソースの代わりに使用する少なくとも一つのサポートされている Publication Resource を識別するまで fallback chain を辿らなければならない(must)。Reading System が fallback chain 内の複数の Publication Resource をサポートしている場合、それはそのリソースの特定の properties に基づいて使用するリソースを選択してもよく(may)、それ以外の場合は Author の好みの fallback の順序を優先しなければならない(should)。

fallback chain は少なくとも1つの EPUB Content Document が含まれていなければならず(must)、チェーン内の item にいかなる循環参照または自己参照も含めてはならない(must not)。

フォールバックは EPUB Content Document である Top-level Content Document のために提供されてもよい(may)。Reading System は、指定されたコンテキストでレンダリングする Content Document の最適なバージョンを見つけるためにこのようなフォールバックを利用してもよい(may)。スクリプトコンテンツのフォールバック [ContentDocs30] を提供する場合が、この機能を利用できる場合の例である。

> 5.3 Publication Resource の位置

すべての Publication Resource は、次の例外を除いて EPUB Container に配置しなければならない(must):

  • > Audio resources は Container にまたはリモートに配置されることがある。

  • > Video resources は Container にまたはリモートに配置されることがある。

Author は接続状態に関わらずプレゼンテーション全体にユーザーのアクセスを許可するため、Container 内に音声や動画リソースを配置するのを選択するべきである(should)。

メモ

指定されたリソースが Core Media Type Resource または Foreign Resource であるかどうか関係なく Publication Resource の位置については、上記のルールが適用される。

メモ

EPUB Publication でリモートリソースの取り込みは manifest item 要素の remote-resources プロパティを介して指示される。

> 5.4 XML 適合性

XML ベースのメディアタイプであるいかなる Publication Resource も、以下の制約を満たしていなければならない(must):

  • > それは Conformance of Documents [XMLNS] で定義されている XML1.0 に準拠した文書でなければならない(must)。

  • > External identifiers は文書型宣言 [XML] に現れてはならない(must not)。

  • > それは XInclude [XInclude] を利用してはならない(must not)。

  • > それは UTF-8 または UTF-16 [Unicode] でエンコードしなければならない(must)。

特定の Publication Resource が Core Media Type Resource または Foreign Resource であるか否かを問わず上記の制約はあてはまる。

> 付録 A. Package Document スキーマ

Package Document のスキーマは http://www.idpf.org/epub/30/schema/package-30.nvdl で入手できる。

このスキーマは規定である。

メモ

このスキーマを使用して検証するには [NVDL][RelaxNG][ISOSchematron] をサポートするプロセッサが必要になる。

ただし、単独で埋め込まれた RELAX NG とISO Schematron スキーマを使用しているマルチ・パス検証によって NVDL スキーマ層が代えられることができる点に注意されたい。

> 付録 B. application/oebps-package+xml Media Type

この付録では EPUB Package Document のメディアタイプ application/oebps-package+xml を登録する。この登録は [RFC4839] を置き換える。

Package Document は EPUB Publication [Publications30] を記述する XML ファイルである。それは出版物内のリソースを識別しメタデータの情報を提供する。Package Document とその関連規格を維持し国際電子出版フォーラム(IDPF)によって定義される。

MIME メディアタイプ名:

application

MIME サブタイプ名:

oebps-package+xml

必須のパラメータ:

なし。

省略可能なパラメータ:

なし。

エンコーディングに関する留意事項:

Package Document は UTF-8 または UTF-16 でエンコードされた XML。

セキュリティに関する留意事項:

Package Document は、XML1.0 仕様に準拠した整形式の XML が含まれている。

明らかに、たとえば不正な形式のデータを含む悪意のあるファイルを作ることができる。大部分の XML パーサーは、適合を厳しく実施することによって、そのような発生発作を予防する。

Package Document を読むすべてのプロセッサは厳密に取得されたデータのサイズと有効性を確認すべきである。(should)

Package Document の形式で使用可能な暗号化や署名、認証は EPUB Publications 3.0 で標準は現在は提供されていない。

相互運用性に関する留意事項:

なし。

発行済の仕様:

このメディアタイプの登録は http://www.idpf.org/epub/30/spec/epub30-publications.html にある EPUB Publications 3.0 仕様で記述された EPUB Package Document のためのものである。

EPUB Publications 3.0 仕様は http://idpf.org/epub/20/spec/OPF_2.0.1_draft.htm にある application/oepbs-package+xml メディアタイプを使用している Open Packaging Format 2.0.1 を置き換える。

このメディアタイプを使用するアプリケーション:

このメディアタイプは EPUB format の電子ブックの配布に広く使用されている。以下のアプリケーションのリストはすべてを網羅していない。

  • Adobe Digital Editions

  • Aldiko

  • Azardi

  • Apple iBooks

  • Barnes & Noble Nook

  • Calibre

  • Google Books

  • Ibis Reader

  • MobiPocket reader

  • Sony Reader

  • Stanza

追加情報:
マジックナンバー:

なし。

ファイル拡張子:

.opf

Macintosh ファイルタイプコード:

TEXT

フラグメント識別子:

IDPF は http://idpf.org/epub/linking/ でスキームをリンクのレジストリを維持する。これらのスキームの一部は application/oebps-package+xml ドキュメントに解決されるカスタムフラグメント識別子を定義する。

詳細についての連絡先とメールアドレス:

William McCoy, bmccoy@idpf.org

用途:

COMMON

著者/改訂管理:

International Digital Publishing Forum (http://www.idpf.org)

> 付録 C. 謝辞と貢献者

この付録は参考である

EPUB は、出版社、ベンダー、ソフトウェア開発者、および関連する標準規格の専門家を集め、協力的な努力で国際電子出版フォーラム(International Digital Publishing Forum, IDPF) によって開発されました。

EPUB3 仕様は下に述べるリーダーシップにより2010年5月のメンバーシップによって承認された憲章の下で動作し国際電子出版フォーラム(International Digital Publishing Forum, IDPF)の EPUB Maintenance Working Group によって調整した:

ワーキンググループのアクティブメンバー:

IDPF Members

Invited Experts/Observers

より詳細な承認と EPUB の各バージョンへの貢献者については謝辞と貢献者 [EPUB3Overview] を参照されたい。

> 参照・参考

参照文献

[ASSOCSS] Associating Style Sheets with XML documents 1.0 (Second Edition) . James Clark, et al. 28 October 2010.

[CSS3Fonts] CSS Fonts Module Level 3 . John Daggett.

[ContentDocs30] EPUB Content Documents 3.0 .

[DCTERMS] DCMI Metadata Terms .

[MARC21XML] MARC 21 XML Schema .

[MediaOverlays30] EPUB Media Overlays 3.0 .

[ONIX] ONIX for Books .

[PLS] Pronunciation Lexicon Specification 1.0 (PLS) . Paolo Baggia. 14 October 2008.

[Publications30] EPUB Publications 3.0 .

[RDFa10] RDFa in XHTML: Syntax and Processing . A collection of attributes and processing rules for extending XHTML to support RDF. Ben Adida, et al. 14 October 2008.

[RFC2046] Multipurpose Internet Mail Extensions (MIME) Part Two: Media Types (RFC 2046) . N. Freed, N. Borenstein. November 1996.

[RFC3987] Internationalized Resource Identifiers (IRIs) (RFC 3987) . M Duerst, et al. January 2005.

[RFC5646] Tags for Identifying Languages (RFC 5646) . A. Phillips, M. Davis. September 2009.

[Unicode] The Unicode Consortium. The Unicode Standard, Version 5.0.0, defined by: The Unicode Standard, Version 5.0 (Boston, MA, Addison-Wesley, 2007. ISBN 0-321-48091-0).

[WOFF] WOFF File Format 1.0 . Jonathan Kew, et al.

[XInclude] XML Inclusions (XInclude) Version 1.0 (Second Edition) . J. Marsh, et al. 15 November 2006.

[XML] Extensible Markup Language (XML) 1.0 (Fifth Edition) . T. Bray, et al. 26 November 2008.

[XML Base] XML Base (Second Edition) . Jonathan Marsh, et al. 28 January 2009.

[XML DSIG Core] XML-Signature Syntax and Processing Version 1.1 . M. Bartel, et al. 3 March 2011.

[XMLNS] Namespaces in XML (Third Edition) . T. Bray, D. Hollander, A. Layman, R. Tobin. W3C. 8 December 2009.

[XSD-DATATYPES] XML Schema Part 2: Datatypes Second Edition . Paul V. Biron et al. 28 October 2004.

参考文献

[EPUB3Changes] EPUB 3 Differences from EPUB 2.0.1 . William McCoy, et al.

[EPUB3Overview] EPUB 3 Overview . Garth Conboy, et al.

[RFC4329] Scripting Media Types . B. Hohrmann. April 2006.

[VP8] VP8 Data Format and Decoding Guide . J. Bankoski, et al.