]> EPUB 3.0.1 Changes from EPUB 3.0(日本語訳版)

この文書は「EPUB 3.0.1 Changes from EPUB 3.0」の日本語訳である。最新の文書は http://www.idpf.org/epub3/latest/changes である。原文もしくは完全な情報は、 EPUB 3.0.1 Changes from EPUB 3.0 を参照されたい。

この日本語訳は参考である。公式な文書ではなく、翻訳・解釈の正確性を保証していない。

公開日:
2013-11-12
改定日:
2014-06-26
翻訳者:
Wataru Yoshimura

EPUB 3.0.1 Changes from EPUB 3

2014年6月26日 Recommended Specification

この版
http://www.idpf.org/epub/301/spec/epub-changes-20140626.html
最新版
http://www.idpf.org/epub3/latest/changes
前の版
http://www.idpf.org/epub/301/spec/epub-changes-20140228.html

以前のドラフトからの変更点の差分もまた利用できる。

Editors

Markus Gylling, International Digital Publishing Forum (IDPF)

Matt Garrish, Invited Expert

目次

1. 前置き
1.1. EPUB の改訂履歴
2. EPUB 出版物
2.1. spine 要素
2.2. dc:source 要素
2.3. dc:type 要素
2.4. collection 要素
2.5. 予約済み接頭辞
2.6. Collections メタデータ
2.7. Link relationships
2.8. The record プロパティ
2.9. Fixed layout metadata
2.10. rendition:flow プロパティ
2.11. rendition:align-x-center プロパティ
3. EPUB Content Documents
3.1. 予約済み接頭辞
3.2. セマンティクスの強化
3.3. trigger 要素
3.4. Custom 属性
3.5. aria-describedat 属性
3.6. 新しい CSS 3 モジュール
3.7. CSS Writing Modes
3.8. oeb-page-headoeb-page-foot プロパティ
3.9. RelaxNG スキーマ
4. EPUB Open Container Format (OCF)
4.1. 用語
4.2. 難読化アルゴリズム
5. EPUB Media Overlays
5.1. playback-active-class プロパティ
6. Structural Semantics Vocabulary
A. 謝辞と貢献者
参照・参考

> 1 前置き

EPUB® は XML や Web 標準に基づいたデジタル出版物の交換や配信形式である。EPUB 出版物は、電子書籍、雑誌、出版物のその他の形式を表現し、オンラインやオフラインで消費するために配布することができる Web コンテンツの信頼性の高いパッケージと考えることができる。

この文書、EPUB 3.0.1 Changes from EPUB 3 は、重要な変更と追加を強調し、EPUB 3.0 仕様の最初の小改訂で行った変更を説明する。

この文書は参考である。EPUB 3 の正確な情報は EPUB 仕様書を参照されたい:

  • EPUB Publications 3.0.1 [Publications301] は出版レベルのセマンティクスと EPUB 出版物のための包括的な適合性要件を定義している。

  • EPUB Content Documents 3.0.1 [ContentDocs301] は EPUB 出版物のコンテキストで使用するための XHTML、SVG と CSS のプロファイルを定義する。

  • EPUB Open Container Format (OCF) 3.0.1 [OCF301] は関連するリソースの集合を単一のファイル(ZIP)の Container にカプセル化するためのファイル形式と処理モデルを定義する。

  • EPUB Media Overlays 3.0.1 [MediaOverlays301] は形式とテキストと音声の同期のための処理モデルを定義する。

特に指定のない限り、ここで使用される用語は、これらの仕様書で定義された意味を持つ。

> 1.1 EPUB の改訂履歴

EPUB は、Open EBook Publication Structure (OEBPS) として知られている交換フォーマットが起源である。OEBPS 1.0 は、後に International Digital Publishing Forum (IDPF) となる組織の Open eBook Forum により 1999 年に承認された。次の改訂 1.1 と 1.2 は、それぞれ 2001 年と 2002 年に IDPF により承認された。

配信・交換として使用できる標準フォーマットの要求が存在することに気が付き、OEPBS のための単一ファイルのコンテナフォーマットとして 2005 後半に作業は開始され、そしてそれは 2006 年に OEBPS Container Format (OCF) として IDPF により承認された。OEBPS の 2.0 版の作業は、OCF と一緒に Open Package Format (OPF)、Open Publication Format (OPF) の仕様書の三つ組から成り、2007 年の 10 月に名前を変更した EPUB2.0 として承認をされ、並行して開始された。仕様書の正誤表を明確にし、改正することを主な意図とした 2.0 仕様書のセットをメンテナンスアップデートした EPUB 2.0.1 は、2010 年 9 月に承認された。[OPF2] [OPS2] [OCF2]

EPUB 仕様の主要な新しい 3.0 版の作業は、HTML5 とより密接に EPUB を連携することを目標に、2010年に開始され、新しいネイティブのマルチメディア機能、洗礼された CSS レイアウトのレンダリング、フォント埋め込み、スクリプトのインタラクティビティ、拡張されたグローバルな言語のサポート、改良されたアクセシビリティをもたらす。新しい仕様、EPUB Media Overlays も取り入れられ、EPUB 出版物にテキストと音声の同期を可能にする。より標準の仕様名に合わせるため、Open Package Format specification は EPUB Publications と名前を変更し、Open Publication Format specification は EPUB Content Documents と名前を変更された。EPUB 3.0 仕様は、2011年10月に承認された。[Publications30] [ContentDocs30] [OCF30] [MediaOverlays30]

> 2 EPUB 出版物

> 2.1 spine 要素

spine [Publications301] の Content Document から参照されている全ての Content Document は、それが自身が、spine に記載されなければならない。

> 2.2 dc:source 要素

dc:source 要素 [Publications301] は、ひとつのみという規制は削除された。

ページネーションのための印刷物ソースの識別は、新しい source-of プロパティ [Publications301] を持つ dc:source 要素を改良することで行われる。

> 2.3 dc:type 要素

dc:type 要素 [Publications301] は、ひとつのみという規制は削除された。

この要素で使用することのできる IDPF で認められた型の一覧については、EPUB Registry of Publication Types を参照されたい。

> 2.4 collection 要素

新しい collection 要素 [Publications301] は、EPUB 3 の特殊な挙動とレンダリングを開発するためのフレームワークを提供する。これは、著者による出版物仕様で定義されている使用を意図していないが、上で構築される機能のための拡張ポイントを提供する。例えば、複数の XHTML Content Documents を横断する分割したインデックスの識別と再結合(例えば、機械処理や表示)を可能するために、EPUB Indexes specification が使用される。

> 2.5 予約済み接頭辞

パッケージメタデータで使用できる予約済み接頭辞の一覧は、仕様改定と離れ接頭辞を追加し易くするために、Publications 仕様から削除された。接頭辞の一覧は、EPUB Publications Reserved Prefixes で見ることができる。

接頭辞 schema は、schema.org メタデータを包含するために予約された。

> 2.6 Collections metadata

meta 要素のメタデータプロパティは、EPUB 出版物が属しているコレクションの識別を可能にするために拡張された。belongs-to-collection プロパティ [Publications301] は、コレクションのタイトルと collection-type [Publications301]、コレクションの性質(シリーズとセットは、定義済みの値)を識別する。

> 2.8 record プロパティ

新しい汎用的な record プロパティは、メディアタイプによって識別することのできる任意のメタデータレコードの参照を可能にする link 要素のために追加された。

> 2.9 Fixed-layout メタデータ

以前は EPUB 3 Fixed-Layout Documents に定義されていた Fixed-Layout メタデータは、[Publications301][ContentDocs301] 仕様に結合された。fixed-layout メタデータプロパティ [Publications301] の全ては出版物に定義されており、これらのプロパティのサポートは、リーディングシステムに要求される。

> 2.10 rendition:flow プロパティ

rendition:flow プロパティ [Publications301]は、Content Document の流れ(例えば、連続した流れの生成)を、望む方法で指示することを製作者に許可するために追加された。

> 2.11 rendition:align-x-center プロパティ

rendition:align-x-center プロパティ [Publications301] は、Content Document を水平方向にセンタリングされる指定を製作者ができるようにするために追加された。このプロパティは、主に、中扉(Naka-Tobira)の問題を処理するために追加された。

> 3 EPUB Content Documents

本セクションは、EPUB 3 で提示された主要な新しいまた変更された機能と構成概念を説明する。

> 3.1 予約済み接頭辞

epub:type 属性で使用できる予約済み接頭辞の一覧は、仕様改定と離れ接頭辞を追加し易くするために、Content Document 仕様から削除された。接頭辞の一覧は、EPUB Content Documents Reserved Prefixes で見ることができる。

> 3.2 セマンティクスの強化

[RDFa11][Microdata] 属性は、現在、XHTML Content Document で使用するために有効である。schema.org で定義されているような語彙は、コンテンツを強化するために、これらの属性を使用することができる。

> 3.3 trigger 要素

次の [XML Events] は、標準の挙動を上書きし、イベント:phasedefaultActionpropagate の伝播を防ぐために、trigger 要素 [ContentDocs301] に追加された。

> 3.4 カスタム属性

カスタム属性 [ContentDocs301] は、現在、XHTML Content Document に許可されている。

相互運用性を向上させるために、IDPF は、registry of custom attributes をメンテナンスしている。

(カスタム属性は常にその仕様で概説されている要件を満たす提供を SVG に許可されていることを注意されたい。)

> 3.5 aria-describedat 属性

新しい [WAI-ARIA-1.1] aria-describedat 属性 [ContentDocs301] が追加され、任意の要素に追加できるアウトオブバンド記述が許可される。この属性から参照された記述は、EPUB Container の内部または外部に設置することができる。

> 3.6 新しい CSS 3 モジュール

二つの新しいモジュールが、ベースラインプロファイルに追加された:

> 3.7 CSS Writing Modes

CSS Writing Mode プロパティの構文と値は変更されている。詳細は、CSS Writing Modes [ContentDocs301] を参照されたい。

> 3.8 oeb-page-headoeb-page-foot プロパティ

oeb-page-head と oeb-page-foot プロパティ [ContentDocs301] の使用は、これらのプロパティは将来の版で削除もしくは置き換えられると予想されているので、現在では推奨されていない。

> 3.9 RelaxNG スキーマ

Content Document 仕様は、外部でメンテナンスされている [HTML5]SVG スキーマのスナップショットをもはや参照しない。スキーマは、 それらの仕様(主に HTML5)への変更から最新の状態を維持することができるように切り離されている。

> 4 EPUB Open Container Format (OCF)

> 4.1 用語

OCF Container のコンテンツの性質が、明記されており、EPUB 出版物は、現在、Container で表現される単一の作品として定義され、そのコンテンツ(たとえ Rendition のすべてが関連付けられていたとしても、以前は、各 Rendition が、EPUB 出版物として定義されていた)のひとつ以上の Rendition によって表現される。

異なる EPUB 出版物の Rendition を一緒に束ねることはもはや有効ではないが、これは以前から推奨されていない。

> 4.2 難読化アルゴリズム

リソースの難読化と圧縮の順は、難読化は圧縮する前に行う必要があると、難読化アルゴリズム [OCF30] に明記されている。リーディングシステムの開発者は、逆の順番が以前の明確さが不足していたために遭遇する可能性があることを考慮しておくことを勧める(より詳細な情報はセクション最後の note を参照されたい)。

> 5 EPUB Media Overlays

> 5.1 playback-active-class プロパティ

playback-active-classプロパティの追加は、製作者に、現在読み上げていない箇所のテキストの外観を制御を許可する。このプロパティは、Content Document のドキュメント要素(例えば、[HTML5] html 要素)に適用される。プロパティは、再生がアクティブなとき、全てのテキストをグレイアウトするように使用し、例えば、現在読み上げているテキストに読者の注意をより集中させることができる。

> 6 Structural Semantics Vocabulary

EPUB Structural Semantics Vocabulary は更新され、EPUB 仕様の改訂サイクルから開放された。EPUB Working Group は、新しいプロパティの要求を綿密に調べ、継続的に追加することができる。

多くの新しい追加は、教育用のプロパティ専用の最も注目すべき新しいセクションに語彙が作られた。変更点の完全なリストは、EPUB wiki を参照されたい。

> 付録 A. 謝辞と貢献者

この付録は参考である

EPUB は、出版社、ベンダー、ソフトウェア開発者、および関連する標準規格の専門家を集め、協力的な努力で国際電子出版フォーラム(International Digital Publishing Forum, IDPF) によって開発されました。

EPUB3 仕様は下に述べるリーダーシップにより2010年5月のメンバーシップによって承認された憲章の下で動作し国際電子出版フォーラム(International Digital Publishing Forum, IDPF)の EPUB Maintenance Working Group によって調整した:

ワーキンググループのアクティブメンバー:

> IDPF Members

> Invited Experts/Observers

より詳細な承認と EPUB の各バージョンへの貢献者については謝辞と貢献者 [EPUB3Overview] を参照されたい。

> 参照・参考

参照文献

[ContentDocs301] EPUB Content Documents 3.0.1 .

[MediaOverlays30] EPUB Media Overlays 3.0.

[MediaOverlays301] EPUB Media Overlays 3.0.1 .

[Microdata] HTML Microdata (20121025). Ian Hickson. 25 October 2012.

[Publications301] EPUB Publications 3.0.

[Publications301] EPUB Publications 3.0.1 .

[RDFa11] RDFa Core 1.1 - Second Edition . Syntax and processing rules for embedding RDF through attributes. Ben Adida, et al. 22 August 2013.

[SVG] Scalable Vector Graphics (SVG) 1.1 (Second Edition). Erik Dahlstrom, et al. 09 June 2011.

[WAI-ARIA-1.1] Accessible Rich Internet Applications (WAI-ARIA) 1.1. James Craig, et al.

[XML Events] XML Events. Shane McCarron, et al. 14 October 2003.

参考文献

[EPUB3Overview] EPUB 3 Overview . Garth Conboy, et al.