アクセシブルな電子書籍を制作するための5つ星スキームを提案する。ここでは、各段階の星の例と、それに伴うコストや利益について説明する。
以下に、5つ星アクセシブルな電子書籍計画における各レベルの例を示す。
読者として、
出版社として、
電子書籍であることがアクセシブルなのです。
しかし、電子書籍にすることはゴールではありません。電子書籍をもっとアクセシブルにできます。
読者として、★ アクセシブルな電子書籍でできることは全て可能です。それに加えて、
出版社として、
リフローはアクセシブルな電子書籍の理想形です。機械可読性が高く、読者が自分の望む方法で読書が楽しめるでしょう。
ただし、その電子書籍は独占的な技術で硬い殻に閉じ込められているかもしれません。
読者として、★★ アクセシブルな電子書籍でできることは全て可能です。それに加えて、
出版社として、
アクセシブルな電子書籍として完成と言ってもよいでしょう。選択肢の多さはアクセシビリティの重要な要素です。
でも、アクセシブルとはいえ、全ての人をサポートしているわけではありません。できること/できないことを事前に通知することはとても親切なことです。
読者として、★★★ アクセシブルな電子書籍でできることは全て可能です。それに加えて、
出版社として、
読者と出版社双方に大きな利益を生み出します。読者は読めない本を買いません。でも、少しの努力で読めるなら購入するかもしれません。その判断ができます。出版社は正しい情報を提供する真摯な対応で、多くのファンを獲得することが期待できます。
とはいえ、電子書籍の仕様としては十分ですが、アクセシビリティの仕様としてはもう少し努力が必要です。
読者として、★★★★ アクセシブルな電子書籍でできることは全て可能です。それに加えて、
出版社として、
完璧です。これ以上ないアクセシブルな電子書籍になりました。読者は能力や環境に煩わされない読書体験を得、出版社は継続的なビジネスを約束する地盤を築きました。
アクセシブルな電子書籍について、提言やアイデア、妄想・夢想は数多くあれども、いきなりそのような理想を達成できるほど、現実は甘くない。そんな泣き言を言っているから、電子書籍はアクセシブルにならないのだと非難されるかもしれないが、できないものはできないのだから仕方ない。
そうした現実を認めたうえで、たとえ蝸牛の歩みと呼ばれようとも、前進するため、このスキームを考えてみた。
なお、ここに記述したものは提言やアイデア、妄想・夢想の類であり、結果は保証していません。自己責任でご参考・ご活用ください。
公開日:2017年4月11日
作成者:Wataru Yoshimura