この文書は「EPUB 3.1 Changes from EPUB 3.0.1」の日本語訳である。最新の文書は http://www.idpf.org/epub3/latest/changes である。原文もしくは完全な情報は、EPUB 3.1 Changes from EPUB 3.0.1 を参照されたい。
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2017年1月5日 Informational Document
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このドキュメントは、2015年7月8日に承認された EPUB ワーキング グループ憲章の下で EPUB ワーキング グループによって作成された。
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EPUB® は XML や Web 規格に基づいたデジタル出版物の交換や配信形式である。EPUB 出版物は、電子書籍、雑誌、出版物のその他の形式を表現し、オンラインやオフラインで消費するために配布することができる Web コンテンツの信頼性の高いパッケージと考えることができる。
このドキュメント、EPUB 3.1 Changes from EPUB 3.1 は、重要な変更と追加を強調し、EPUB 3.0 仕様の最初の大幅な改訂で行った変更を説明する。
このドキュメントは規定ではない。EPUB 3 の正確な情報は EPUB 仕様を参照されたい。
特に指定のない限り、ここで使用される用語は、用語 [EPUB 3.1] で定義された意味を持つ。
EPUB は、Open EBook Publication Structure (OEBPS) として知られている交換フォーマットが起源である。OEBPS 1.0 は、後に International Digital Publishing Forum (IDPF) となる組織の Open eBook Forum により1999年に承認された。次の改訂 1.1 と 1.2 は、それぞれ2001年と2002年に IDPF により承認された。
配信・交換として使用できる標準フォーマットの要求が存在することに気が付き、OEPBS のための単一ファイルのコンテナフォーマットとして 2005 後半に作業は開始され、そしてそれは2006年に OEBPS Container Format (OCF) として IDPF により承認された。OEBPS の 2.0 版の作業は、OCF と一緒に Open Package Format (OPF)、Open Publication Format (OPF) の仕様書の三つ組から成り、2007年の10月に名前を変更した EPUB2.0 として承認をされ、並行して開始された。仕様書の正誤表を明確にし、改正することを主な意図とした 2.0 仕様書のセットをメンテナンス アップデートした EPUB 2.0.1 は、2010年9月に承認された。[OPF2] [OPS2] [OCF2]
EPUB 仕様の主要な版の作業は、HTML とより密接に EPUB を連携することを目標に、2010年に開始され、新しいネイティブのマルチメディア機能、洗礼された CSS レイアウトのレンダリング、フォント埋め込み、スクリプトのインタラクティビティ、拡張されたグローバルな言語のサポート、向上したアクセシビリティをもたらす。新しい仕様、EPUB Media Overlays も取り入れられ、EPUB 出版物にテキストと音声の同期を可能にする。より標準の仕様名に合わせるため、Open Package Format specification は EPUB Publications と名前を変更し、Open Publication Format specification は EPUB Content Documents と名前を変更された。EPUB 3.0 仕様は、2011年10月に承認された。[Publications 3.0] [Content Docs 3.0] [OCF 3.0] [Media Overlays 3.0]
EPUB 3.0.1 の改正は、2013年から2014年に行われた。主にマイナーな修正と更新の導入ではあるが、リフロー可能な EPUB がコンテンツに適していないとき、プレゼンテーションに対する大きなコントロールを与える、固定レイアウトドキュメントの統合を参照されたい。[Publications 3.0.1] [Content Docs 3.0.1] [OCF 3.0.1] [Media Overlays 3.0.1]
EPUB 標準の読解と参照を簡単にするために、仕様の主な再編成は、この改定で着手した。最大の変更点として、新しい包括的な EPUB 3.1 仕様は、エントリへの主なポイントとして導入された。[Publications 3.0.1] で定義された以前の EPUB 出版物およびリーディング システムの要件は、出版物リソースに関するセクションがあったように、この新しいトップレベルの仕様に移動した。全ての共通用語は、同様に、共通の参照点を提供するために、このトップレベルの仕様に集めた。主要な概念のインデックスと用語は、様々なサブ仕様のナビゲーションを支援するために追加さた。
[Publications 3.0.1] は、パッケージ ドキュメントを介してコンテンツのレンディションを定義していることを反映するために、より適した EPUB Packages 3.1 にリネームした。EPUB ナビゲーション ドキュメントの定義は、EPUB コンテンツ ドキュメントの一般的な機能ではなく、パッケージの中心的な構成要素であるとして、この仕様のために [Content Docs 3.0.1] から移動した。以前、この仕様で定義されていたプロパティの定義は、外部の語彙へ移動した。
[Media Overlays 3.1] は、埋め込まれるプロパティの定義が別々の語彙として除去されるように見えるが、その他の点では構造的な変化はない。
[Content Docs 3.1] は、EPUB ナビゲーション ドキュメントの定義の除去を別とすれば、主に表面的な変更がなされた。いくつかのセクションは、一意のドキュメント タイプではなく、(例えば、セクション「スクリプト コンテンツ ドキュメント」は、「スクリプト」に変更された)コンテンツ ドキュメントを強化する方法を反映するために改名されたが、それ以外のセクションの配置は大きく変更していない。
[OCF 3.1] は、同様に、いくつかのマイナーな編集と構造のクリーンアップがなされたが、セクションの追加または削除はない。
このリビジョンで取り上げられた EPUB 3.1 仕様のイシューの説明とタイプミス、その他の完全なリストはイシュー トラッカーを参照されたい。
EPUB 3.1 は、全ての EPUB 出版物が、新しい EPUB Accessibility [EPUB Accessibility] 仕様に適合する勧告を追加する。アクセシビリティ仕様は、コンテンツ内の [WCAG 2.0] サポートと一緒に、発見のメタデータの包含のための勧告を行う。
EPUB リーディング システムはまた、[EPUB Accessibility] の要件を満たすことを推奨する。
EPUB 3.1 は、コア メディア タイプ [Core Media Types] として WOFF 2.0 と SFNT フォント フォーマットを追加した。
EPUB 3.1 は、スパインではなく、EPUB コンテンツ ドキュメントに埋め込まれていない場合は、管理外リソースがフォールバックを必要としないという更なる明確化を追加した。
この変更は、特に利点、不要なフォールバックなしにスクリプトによって使用するためのデータファイルを製作者が包含することができる。
EPUB 3.1 は、スクリプトによって使用されるフォントとリソースが EPUB コンテナの外側でホストされることを許可する。
EPUB 3.1 は、ハイパーリンクするために EPUB Canonical Fragment Identifiers [EPUB-CFI] をサポートするリーディング システムへの要求は取り除かれた(EPUB 3.0.1 EPUBCFI の要件を参照)。
このリビジョンで取り上げられた EPUB Packages 仕様のイシューの説明とタイプミス、その他の完全なリストはイシュー トラッカーを参照されたい。
refines
属性refines
属性 [Packages 3.1]の使用は、現在、廃止予定(deprecated) である。次の属性、duration
、opf:alt-rep
、opf:authority
、opf:file-as
、opf:role
、opf:scheme
、opf:term
は、リーディングシステムに提供する機能を置き換えるために追加された。
新しい opf:scheme
属性は、meta
タグに使用できる既存の scheme
属性と名前や目的が似ているが、識別子スキーマを識別することに限定されている。すでに属性は EPUB 2 で使用でき、そして、opf:
名前空間において [DCMES] 要素に使用できる全ての属性を保持するために、互換性として、プリフィックス付きの名前を保持することを配慮している。これらの利点は、発生するであろう全ての初期オーサリング時の混乱をしのぐと考えられた。
EPUB 3.1 は、パッケージ ドキュメントの metadata
要素に直接包含されている情報の上にリンクされたレコードに書誌情報に優先し、リンクされたレコードの優先順位もまた変更する。
リモートのレコードを取得するためのプロトコルは、最新ドラフトの補足で開発中であった。その作業は削除され、別のドキュメントで継続されるであろう。
meta
要素の除去EPUB 3.1 は、[OPF2] meta
要素を取り除く(EPUB 3.0.1 の OPF2 meta
要素を参照)。
ナビゲーションのための EPUB 2 NCX ファイルは、現在、削除対象としてマークされた(EPUB 3.0.1 NCX を参照)。そのサポートは、EPUB の次の大きな改定で取り除かれる。
guide
要素の廃止EPUB 3.1 は、廃止予定だった guide
要素(EPUB 3.0.1 guide
要素を参照)を取り除く。
bindings
要素の廃止EPUB 3.1 は、object 要素(EPUB 3.0.1 bindings
を参照)に埋め込まれた管理外リソースのために代替のスクリプト化したフォールバックを提供するパッケージ ドキュメント内で bindings の使用をサポートしない。
[HTML] object
要素固有のフォールバック メカニズム(埋め込みコンテンツ)は、コア メディア タイプのフォールバックを提供するために使用できる。
このリビジョンで取り上げられた EPUB Content Documents 仕様のイシューの説明とタイプミス、その他の完全なリストはイシュー トラッカーを参照されたい。
EPUB 3.0.1 は、それらの特定のバージョンに仕様を結びつけるため、HTML 5.0 と SVG 1.1 のために日付付きの参照を使用していた。このモデルでは、新しいリビジョンが、HTML や SVG のバージョンを導入するのにそれぞれの時間を必要とした。
EPUB 3.1 が、これら仕様における最新の推奨バージョンと共に最新に保たれていることを保証するために、日付付きの参照は、EPUB 3.1 において日付なし参照に置き換えられた。この変更は、HTML と SVG の新しい推奨バージョンが公開されると、それらがすぐに EPUB 出版物での使用に有効であることを意味する。
詳細の情報は、HTML5 との関連性と SVG との関連性を見よ。
EPUB 3.1 は、EPUB スタイル シート プロファイルを削除する。その代わりに、より一般的な CSS のサポート要件が定義される。
CSS のサポートは、視覚的なリーディング システムのために必要である。
CSS プロファイルよりはむしろ、EPUB 3.1 は、CSS ワーキング グループ スナップショットから CSS の「公式な定義」を使用する。
position: fixed の使用の制約は削除された。
position: absolute の使用の制約は削除された。
CSS Speech から全ての -epub- プリフィックス付きプロパティは、実装の少なさから削除された。
-epub-ruby-position プロパティは削除された。
-epub-text-combine-horizontal プロパティは削除された。
-epub-fullsize-kana プロパティは削除された。
-epub-text-emphasis ショートハンド プロパティは削除された。
-epub-text-orientation の use-glyph-orientation
と sideways-left
値は削除された。
EPUB 3.1 は、リーディング システムが、リーディング システムの適合性要件の追加とスタイルを上書きするサブセクションを介して、ユーザー エージェント スタイルの上に、製作者とユーザーのスタイルの選択を優先するべきガイダンスを追加した。
EPUB 3.1 は、スクリプトのサポートを次のように変更する。
コンテナ制約のスクリプトは、(embed
と object
は削除され)[HTML] iframe
要素に限られる。
リーディング システムは、コンテナ制約のスクリプトをサポートするべきである(スクリプトまわりのセキュリティとプライバシーの懸念のために「must」から弱めた)。
リーディング システムは、固定レイアウトドキュメント内のスパイン レベルのスクリプトと rendition:flow プロパティで定義された「scrolled-doc」と「scrolled-continuous」インターフェイスをサポートするべきである。
リーディング システムがリフロー可能なドキュメントでスパイン レベルのスクリプトをサポートする場合、「scrolled-doc」インターフェイスをサポートしなければならなず、「scrolled-continuous」インターフェイスをサポートするべきである。
switch
要素の廃止EPUB 3.1 は、コンテンツの条件付き表示のために switch
要素の包含をサポートしない(EPUB 3.0.1 switch
要素を参照)。
その代わり、製作者に、MathML altimg
属性の使用における既存のガイドラインが向けられた。
trigger
要素の廃止EPUB 3.1 は、音声と動画コンテンツのコントロールを宣言するための trigger
要素の包含をサポートしない(EPUB 3.0.1 trigger 要素を参照)。
製作者は、[HTML] audio
と video
要素によって提供されるネイティブなコントロールを使用することが推奨される。
IDL 定義に、epubReadingSystem
オブジェクトが追加された。
ネストされたコンテクストを包含している、異なるスクリプト コンテクスト内に、オブジェクトを利用できるようにするための要件もまた明確化された。
このリビジョンで取り上げられた OCF 仕様のイシューの説明とタイプミス、その他の完全なリストはイシュー トラッカーを参照されたい。
暗号化と圧縮の順序が明確化された。新しいルールは、リソースのサイズを減少させることが適切でないとき、圧縮が必要でないことを明確にする。新しい Compression
要素は、リソースが圧縮後かそれともオリジナルのバイトサイズかを示すために encryption.xml
スキーマのために追加された。
このリビジョンで取り上げられたメディア オーバレイ 仕様のイシューの説明とタイプミス、その他の完全なリストはイシュー トラッカーを参照されたい。
Packages 3.1 仕様における refines
属性の廃止予定は、メディア オーバレイのメタデータを表現する方法に影響を与えている。具体的には、新しい duration
属性 [Packages 3.1] が、現在、総再生時間を示すためにマニフェストの項目に取り付けられている(従来通り、総再生時間は、パッケージ メタデータに設定される)。ナレーターは、各個別の XHTML コンテンツ ドキュメントのためではなく、全体としての出版物のためのみ識別される。
EPUB 3.1 リビジョンは、EPUB 出版物をアクセシブルであり発見可能にする方法の詳細として、[EPUB Accessibility] 仕様を導入する。この仕様は、[WCAG 2.0] の作業を活用し、EPUB 出版物のための要件もまた追加している。これは、要件を満たすためのベスト プラクティスを記述した、規定ではない [EPUB Accessibility Techniques] ドキュメントが添付されている。
この仕様は、EPUB の古いバージョンに利用できるよう設計されている。EPUB 3.0.1 または 2.0.1 がアクセシブルかどうかを確認するために製作者によってすぐ使用することができる。
このリビジョンで取り上げられた EPUB Canonical Fragment Identifiers 仕様のイシューの説明とタイプミス、その他の完全なリストはイシュー トラッカーを参照されたい。
このリビジョンで取り上げられた Alternate Style Tags 仕様のイシューの説明とタイプミス、その他の完全なリストはイシュー トラッカーを参照されたい。
このセクションは参考である
EPUB は、出版社、ベンダー、ソフトウェア開発者、および関連する標準規格の専門家を集め、協力的な努力で国際電子出版フォーラム(International Digital Publishing Forum, IDPF) によって開発されました。
EPUB 3.1 仕様は下に述べるリーダーシップにより2015年7月のメンバーシップによって承認された憲章の下で動作し国際電子出版フォーラム(International Digital Publishing Forum, IDPF)の EPUB Maintenance Working Group によって調整した:
ワーキング グループのアクティブメンバー:
より詳細な承認と EPUB の各バージョンへの貢献者については謝辞と貢献者 [EPUB3 Overview] を参照されたい。
[Content Docs 3.0] EPUB Content Documents 3.0 .
[Content Docs 3.0.1] EPUB Content Documents 3.0.1 .
[Content Docs 3.1] EPUB Content Documents 3.1 .
[Core Media Types] EPUB 3 Core Media Types.
[EPUB 3.1] EPUB 3.1 .
[EPUB Accessibility] EPUB Accessibility .
[HTML] HTML .
[Media Overlays 3.0] EPUB Media Overlays 3.0 .
[Media Overlays 3.0.1] EPUB Media Overlays 3.0.1 .
[Media Overlays 3.1] EPUB Media Overlays 3.1 .
[OCF 3.0] Open Container Format 3.0 .
[OCF 3.0.1] Open Container Format 3.0.1 .
[OCF 3.1] Open Container Format 3.1 .
[OCF2] Open Container Format 2.0.1 .
[OPF2] Open Packaging Format 2.0.1 .
[OPS2] Open Publication Structure 2.0.1 .
[Packages 3.1] EPUB Packages 3.1 .
[Publications 3.0] EPUB Publications 3.0 .
[Publications 3.0.1] EPUB Publications 3.0.1 .
[WCAG 2.0] Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0 .
[EPUB Accessibility Techniques] EPUB Accessibility Techniques .
[EPUB3 Overview] EPUB 3.1 Overview .